理論編

   学校保健は、もともと感染症の治療と予防の必要性からスタートした分野です。 養護教員も養護訓導という名前に始まり、当初はトラコーマや寄生虫卵、シラミなどの駆除活動を主にする職種でした。

 それが、1970年代に入ると、「教育職としての養護教員」という役割が要求されるようになり、当時の子どもたちの問題(肥満や脳貧血、アレルギー、生活の乱れ、不登校等)に対応する職種として、新たな位置づけがなされるようになりました。

 それに伴って、全国各地でたくさんの養護教員が、数々の素晴らしい教育実践を展開するようになります。私自身もそういった諸先輩方の実践に学びながら、実践を重ねてきました。
 
 しかし、多くの優れた実践は、それぞれの養護教員の発想や理論に基づいて行われてはいるものの、それが大きな「保健教育」というくくりの中で理論化されることは、あまりなかったように思われます。そんな中で私が出会ったのが「からだの学習」の考え方でした。「からだの学習」は、当時数少ない保健教育の理論でしたので、私はこの理論を拠り所に実践を進めることにしたのです。

 ですから私自身は、実践の中で絶えず「からだの学習」の理論を意識してきました。そして、「からだの学習」の理論が、十分な教育的効果をあげることのできるものであることも実感しています。

 「全ての子どもたちが自分のからだと命の主人公となって生きる力を身につけるために」ぜひ、教員としての養護教員による保健教育の実践を、多くの人に進めていってほしい。そのために「からだの学習」の私なりの理論を理解して頂き、さらにみなさんの実践の中で磨き上げて欲しい。そんな願いを持って、このホームページを立ち上げたのです。

 というわけで、このページの教材を使われるみなさんに、まずはその「からだの学習」の考え方を説明するところからはじめたいと思います。

「からだの学習」との出会い