「歯みがき後のうがいは少量で」は許可されていない!

2022年8月11日
カテゴリ:その他

最近のテレビ報道で、気になっていることがあります。
一つは、某ワイドショーで例の「イエテボリ法」が紹介されたときのゲスト歯科医師さんの発言。
「歯みがき剤で磨いた後は、1回だけうがいをしたら、そのままにしてフッ素を口の中に残すといい、と聞いたんですけど」とのMCの発言に対して
「う~ん、でもせっかく磨いて汚れを落としたのだから、それは全部うがいで吐き出した方がいいですよ」
おお、なんと、今まで聞いたことのない反応!!
こういう場合、今まではほとんど「そうですね、せいぜい1回うがいしたら十分ですよ」
といった反応だったのに、何がおきたんでしょうか?
歯医者さんの間でも、フッ素の作用については疑問を持っている人が多い、と聞いたことがありますが、いろんな考えの人がいることを実感しました。

「子どもの歯と健康を考える会」のカテゴリー、「第39回フッ素集会」の記事に、このイエテボリ法についての厚労省の回答を載せてあります。
「医薬部外品である歯磨剤(歯磨き剤)は、歯をみがくことを目的とした口腔用の外用剤であり、口腔内をゆすいで吐き出すことを行わずに、嚥下することを前提としてその製造販売の承認が行われているものではない」
つまり、歯みがき剤は吐き出すことを前提に、販売が許可されている、ということです。吐き出さないで飲んでしまうのなら、販売が許可されない可能性もあるかもしれない、とも考えられます。
従って、日本国内で販売されている歯みがき剤で、口の中に歯みがき剤の成分を残す方法(そうなれば間違いなく飲み込むことになりますからね)は、許可されていない、やってはいけない方法だということになります。

しかしその一方で、数日前の「Yahoo!ニュース」には「うがいはできるだけしない方がいい」という記事が。
ネットを詳しく探すと、歯科医院のHPでは相変わらずイエテボリ法を勧めている歯医者さんがたっくさんいることは以前から知っていました。お仕事に忙しく、国会答弁など気にする時間がないのでしょうけれど、お医者さんが言うことは、ほとんどの患者さんが信用するわけですから、正しい情報を伝えていただきたいものです。
正しい情報を伝えるからこそ、お医者さんとしての信用が構築されるのではないでしょうか。

もう一つ、厚労省の回答をお知らせします。これも前出の「第39回フッ素集会」の中にあるのですが・・・。
「エナメル質のハイドロキシアパタイトの水酸基がフッ素イオンと置換して、フルオロアパタイトになるということを科学的に確認した実験データはあるか。あるならその出典を記されたい」という質問についての答え。
「お尋ねのデータについては、いずれも把握していない」
2019年の厚労省国会答弁です。
「ハイドロキシアパタイト~」の作用は、フッ素を推進する方々が、その根拠として主張してきたことです。でも厚労省はそれを裏付ける実験データを把握していないのだそうです。つまり、科学的根拠なし!ということです。

そもそも厚労省も文科省も学校での集団フッ素洗口を「勧めていません」。
そして実施するかどうかは「学校として判断していい」としています。

フッ素洗口に関する科学的なデータ(エビデンス、もしくはシステマティックレビュー)は、コクランのものだけです。
それによれば、フッ素のむし歯予防効果は25%。フッ素入り歯みがき剤を使っている場合、さらにフッ素洗口をしても効果の上乗せはない、のです。