どれがむし歯なの?

2021年10月10日
カテゴリ:その他

「甘いものを食べるとむし歯になる」子どもたちに聞くと、ほぼ全員が答える言葉です。
甘いものとむし歯の間には歯垢や酸が存在するのに、それは説明されることなく、一番最初と一番最後がイコールで結ばれてしまっています。
この図式をなんとかしたい、と考えて、いくつかの学校では、子どもたちと一緒に「歯を甘いものに浸けておく」実験を行ってきました。
「何に浸けておくとむし歯になると思う?」と聞くと、甘いジュースやスポーツ飲料の名前がたくさん出てきます。塩とかレモン汁なんて、絶対出てきません。子どもたちが名前を挙げた飲み物と、私が提案した水、塩、レモン汁に、歯医者さんからもらってきた永久歯を2本ずつ3日ほど浸けておきます。
すると・・・結果は「からだのおしゃべり」に載せた写真の通りです。ジュースは飲み物の色が着き少し白くなるだけ、スポーツ飲料はジュースより歯の表面が白くなります。
「こうやって歯が溶けるのがむし歯なんだよ」と説明すると、子どもたちはびっくりした顔をします。
それを、ほけんだよりにしてみました。
それからもう一つ。30年以上前に手に入れた、丸森賢二著「子どもの歯の健康2 6さいきゅうし」という本に載っている1枚の写真を、ぜひ子どもたちに見てもらいたかったからでもあります。
丸森賢二さんと言えば、小児歯科の専門家。ご自身の歯科医院での指導はもちろんのこと、多くの著書や講演等でその分野の先駆けとなった方です。
この本の最後のページに載っているのは、70才のおばあさんの6才臼歯の写真です。かみ合わせに汚れが付いて茶色になっているものの、むし歯のない「元気な」歯です。
溶けた歯も元気な歯も、このほけんだよりの教材になっています。むし歯の歯の写真も、同じく丸森さんの本から使用したものです。

 

教材の作り方

教材① 子どもの歯の健康2 6さいきゅうし  丸森賢二監修著(医歯薬出版株式会社)

    P28

教材② 子どもの歯の健康2 6さいきゅうし  丸森賢二監修著(医歯薬出版株式会社)

    P24上の写真

教材③     溶けた歯の画像  カッターで切ることが出来る 

    歯を入れたビーカーの底には溶けた歯の一部が沈んでいる

    (ミルミル作スライドショー 「むし歯・糖・ミュータンス」より抜粋)