おしっこの話

2022年4月10日

カテゴリ:その他

以前にも紹介しましたが、サナダムシ博士の藤田紘一郎さんが翻訳した「きみのからだのきたないもの学」(講談社)から、今回は「おしっこの話」を取り上げてみました。
本文では3ページに渡って、解説の文章が載っていますが、誤解を招きそうな部分もあるので、一部を省略しました。

本当なら、その文章をここに書き写してすぐに使えるようにしたいところなんですが、なにせ有料で販売されている本ですから、著作権の関係もあります。
実際の本のページと行数を指定しますので、本をぜひ手に入れていただき、指定部分をまとめて担任の先生に配布してください。
この本は、持っていて損はありません。保健室の本棚に置いてみてください。

「きみのからだのきたないもの学」
P22  上から12行目「でも」の後から最後の行まで
P23  上から4行目「つくったものだったんですよ」まで
P23  上から11行目「人は毎日」から13行目まで
P24  このページの全文  ただし、「ビーツをたくさん・・・」の部分は子どもたちが「ビー
     ツ」を知っているようであれば、読んでもいいでしょう。                 

目の病気いろいろ

2022年4月10日

カテゴリ:その他

ポケット小中学校では、眼科検診は比較的短時間で終了します。流れ作業のようになってしまいがちで、検診結果も番号で校医さんが言うので、子どもたちは「何だかわからないうちに終わっちゃった状態になりがちです。個人の検診結果はもちろん、他の子どもたちにわからないようにするのは当然なのですが、だからといって、「何もわからない」では物足りない。折角の学びの場ですから、目の
病気について、理解してもらいましょう。

1位から4位まで取り上げた目の病気は、ポケット小中学校で多く診られる診断ですので、みなさんの学校の様子にあわせて変更してください。
4つの病気のうち、比較的知名度のないのが「霰粒腫」です。
上下のまぶたの内側には、上のまぶたに50本、下のまぶたに25本程度の脂を分泌する腺「マイボーム腺」があります。
「あっかんべー」をして、下のまぶたの裏側を見ると、赤い腺が縦に並んでいるのがみえますが、その線と線の間は白くなっています。この白い部分が「マイボーム腺」で、腺の先端で炎症が起きたものが「霰粒腫」です。ただし、「麦粒腫」とは違って、細菌感染によるものではありません。
このマイボーム腺は、年を取るに連れて機能が低下し、60才を過ぎる頃には約半数の人に「マイボーム腺機能不全」が見られるそうなのです。長いお付き合いが必要な部分なんですね。


 

教材の作り方

教材①  目の断面図

 

教材②~⑤については、画用紙等に名前を記入します。

みんな、「だっぴ」している?

2022年3月8日

カテゴリ:その他

このほけんだよりは、ショート指導(低学年)の「みんな、『脱皮』している?」と同じ内容です。担任の先生方には、ショート指導の会話部分を読んでもらい、参考にしてもらいましょう。
ほけんだよりを配布する前に、ショート指導の赤文字の部分まで子どもたちと会話してから、ほけんだよりを配布してもらってください。
教材も同じものが使えます。

小学校低学年 みんな、脱皮している?

2022年3月8日

カテゴリ:その他

この学習は、同じ内容のほけんだより「みんな『だっぴ』している?」としてもUPしています。
みなさんの学校の状況に合わせ、使い分けてください。

言うまでもなく、「脱皮」に該当するのは私たちの皮ふです。
角質部分は皮ふの下の部分(より中心に近い部分)から新しく作られ、それが表面に押し上げられることで、常に新しい皮ふが作られていきます。表面に押し上げられた角質層は、1日6~14g程度剥離し、これがいわゆる「垢」です。
皮ふの下から表面に押し上げられるのに約2週間、乾燥して剥離するまで約2週間かかるそうですから、おおよそ4週間で私たちの皮ふは入れかわっていることになります。
この学習で注意が必要なのは「垢はきたないものだ」というイメージに繋がらないようにすることです。「不要になったもの=汚いもの」ではありませんし、表面の角質層は、からだを乾燥から守り、体内の水分保持にも大きな役割を果たしています。2週間の間、からだの表面で外気にさらされることで乾燥して剥離する、という仕組みになっているだけなのです。
指導の流れの中では、何カ所か子どもたちのイメージや思考を揺さぶるようなミルミルの発言があります。敢えて子どもの発言に「ほんとにそうなの?」的な問いかけをすることも、思考を深めるためには大切です。
小学校低学年では、総合学習の一環として、ザリガニを飼う学校もあります。ミルミルも毎年1,2年生の校外学習でザリガニ釣りに付き合いました。
餌はスルメがいいか、煮干しがいいか・・・なんて子どもたちとおしゃべりしながら、そして毎年1人くらいは、池に入ってズックをびしょぬれにする子と付き合いながら・・・。着替えはザリガニ釣りの必需品でした。
そのザリガニと同じように、自分の皮ふも日々入れかわっている、と聞いて、子どもたちは何を感じるのでしょうか。時間があったら、ぜひそのことも聞いてみたいものです。その感想に合わせて、この学習の流れは、どんどんよりよいものに変えていってください。

T:(教材①提示)みなさん、これは何でしょう。
S:ザリガニ!(多数)
S:家で飼ってるよ(「教室にいるよ」もあるかもしれません)
T:当たり!そうです、ザリガニだね。でもこのザリガニ、このあたりに(教材①で、殻のひび割れ
が指摘されている部分を指す)ひびが入っているようですよ。どうしてかな。
S:脱皮するんだよ、きっと。
S:えっ、脱皮ってなに?
S:殻が割れて、中からザリガニが出てくるんだよ。
T:よく知っているね。(教材②提示)そうなんです。脱皮と言って、ザリガニが今まで着ていた殻 
を脱いで新しい殻になるんです。皆さんも、脱皮しているよね。
S:えっ、脱皮しないよ。
S:人間は脱皮しないよ。ザリガニじゃないもの。
S:人間も脱皮するの?どうやって?
T:ザリガニはどうやって脱皮する?
S:こうやって脱皮する(身振り等を交えて)
T:なるほど。脱いだのは一番外側のからだよね。人間のからだの一番外側はどこ?
S:皮ふ
S:皮ふを脱ぐの?
T:皮ふを脱いで大丈夫?皮ふがなくならない?
S:皮ふがなくなったら困る
S:新しい皮ふができるんじゃないの?
S:そうだよ。次々と皮ふは出来ると思う。
T:新しい皮ふ?ほんとにできる?
S:できる!
T:そうか、できるのか。じゃあ、脱皮しても大丈夫だね。
S:うん

T:では今日も安心して脱皮してくださいね。こうやっている今だって、みんな脱皮してるんだよ。
 皮ふの一番表面にある部分は、外の空気といつも触れているので、とても乾くんです。乾くと落ちてくる、つまり脱皮だね。落ちてきた皮ふの下には、たくさんの皮ふが重なっていて、一番上の皮ふが落ちると、その下の新しい皮ふが表面になって、からだを守ってくれるんです。よかったね、脱皮しても問題ないね。
S:うん、よかった。
S:そうなんだ、次の皮ふがあるんだ。
T:では、皆さんに質問。さっきまでからだの表面でみんなを守ってくれた皮ふ。からからに乾いたから、ぽろっと落ちてきました。この落ちた皮ふ、汚いかな?
S:汚くない
S:乾いただけだから、汚くない
T:そうだね。汚いとは言えないね。みんなも落ちてきた皮ふを見ることが出来るよ。今日お風呂に入ってからだを石けんとタオルで洗った後、そのタオルを洗面器の中で洗ってみましょう。すると、洗面器のお湯や洗面器の縁に、何か白いものが付きます。この白いものの中には、落ちた皮膚が入っているんです。皮膚だけではないけれど、皮膚も含まれているんだよ。
S:今日やってみよう
T:こんなふうに、皮膚はみんなのからだを守りながら、毎日ぽろぽろ落ちて、さらに新しい皮膚が次々とできている。新しい皮膚を作るには、栄養が大事なんです。肉や魚、豆などのたんぱく質や野菜などに含まれるビタミンも大切なんですよ。皆さんはしっかり食べていますか?
S:大丈夫。ちゃんと食べてる
S:今日食べる
S:野菜はちょっと苦手
T:苦手な人は、少しずつでいいから、食べられるようになるといいね。

教材の作り方

教材①と②  脱皮前が① 脱皮が②です。それぞれを1枚ずつ作ってもいいですが、二つ並べて最初は②を隠して提示し、その後②を提示してもいいでしょう。

また、「もうじきだっぴするよ」とある吹き出し部分は言葉を変えましょう。例えば「ぼくはザリガニ」といったものや「脱皮」の部分だけを隠してみてもいいでしょう。

以前、この学習をしたとき、垢の模型として消しゴムの消しかすを10g程作って使用したことがあります。興味のある方は、やってみてください。さて、子どもたちの反応は・・・?

蚊が・・・どうする?

2022年3月8日

カテゴリ:その他

このほけんだよりは、「読み物仕立て」です。
つまり、ほけんだよりを配布する前に、
担任の先生:「『あれ、あなたのうでに蚊が止まっているよ』って友達に言われたらどうする?」
子どもたち:手を振って蚊を逃がす とか 反対の手で叩く ・・・etc
ここまでの会話をしたところでほけんだよりを配布し、あとは最初から読んでいけば大丈夫なので、担任の先生方用の「指導資料」は必要ありません。

アレルギーの発生原因としてよく言われるのは「コップ(もしくはバケツ)理論」です。
例えば花粉をあび続けていると、からだの中のコップ(バケツ)の中にアレルギーの元が溜まっていき、それが溢れるくらいの量になると症状がでてくるようになる、という考え方です。


しかし、最近行われるようになったアレルギーの「舌下免疫療法」は、このコップ(バケツ)理論では説明できず「コップ(バケツ)理論は間違っている」という指摘も出ています。
そのため、アレルギーのしくみを「やり過ぎの反応」という言葉で説明してみました。この考え方は資料としてあげた「人体のしくみとはたらき」を参考にしたものです。
アレルギーは、小中学生にとって比較的身近な疾病です。アトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎、花粉症、喘息など、きっとどのクラスにも何人かはいるはずです。そういった子どもたちに、心ない言葉が投げつけられることのないよう、しっかりと病気の仕組みを理解させ、体調の悪い人を非難するようなことがおきないようにしたいものです。

コロナ情報 2022

2022年2月13日

カテゴリ:その他

2022年1月。リモートでしたが、道北勤医協旭川北医院院長である松崎さんのお話を聞く機会がありました。

松崎さんは、これまでもコロナに関する様々な情報を提供してくださり、その中から養護教員に必要と思われる情報を選んで、このHPでも公開していました。今回も「どうぞ使ってください」とおっしゃっていただけたので、PPをのせました。
もともとのPPは、125枚という膨大な量なので、全てを載せることは出来ませんでした。その中から71枚ほど選んだのですが、それも3つに分けてあります。
1,コロナの病理 
2,コロナと子ども  マスクの効果
3,ワクチン  オミクロン株  治療法  ロングコロナ(後遺症)  これからどうなるか
所々に「松崎私見」と書かれた部分がありますが、世界中の論文とご自分の考えをきちんと分けて書かれているところは、さすが!というところです。皆さんもあくまで考え方の一つであることを前提にお読みください。でも、参考になるところがいっぱいあります。

1 コロナの病理と感染経路

2.コロナと子ども マスクの効果

3,ワクチン オミクロン株 治療法 後遺症 これから

薬の正しい使い方

2022年2月13日

カテゴリ:その他

コロナウイルス感染症の影響で、薬を飲む機会が増えているように思います。ワクチンの副反応に備えたり、実際に感染したときの薬を備えたりと、それぞれの家庭で準備も進んでいるようです。
たくさんの薬の正しい使い方、大人でも間違って使うことがあり、保健室でお母さんの話を聞いてドッキリ!なんて経験もありました。何事もなくてよかった。
身近に飲み薬が増えたこの機会に、正しい使い方を理解してもらいましょう。

最初に教材①を黒板に提示し、生徒たちの意見を聞きましょう。ここで全て正解が出てしまったらすごい!理解は十分です。後半の時間は、それを確かめる時間にしましょう。
生徒たちの意見が出尽くしたら、「からだのおしゃべり」を配布して、プリントの下半分にある薬の説明書やお医者さんの言葉を読みながら、答えを探していきましょう。
担任の先生方に、実際の説明書を持ってきてもらえると、さらに効果的です。資料である薬の説明書から、自分に必要な情報を読み取る力を育てることにもつながります。まさに今求められている力ですよね。
最後に「やっていけないのはどれ?」「やっていい時といけない時があるのはどれ?」の部分に、正解を書き込ませてください。やっていけないのは1,2,4,6、やっていい時といけない時があるのは
3,5,7,です。

生徒自身はもちろんのこと、家族の皆さんも改めて薬の使い方が確認できるよう、家庭に持ち帰らせましょう。

教材①

 

#「教師のバトン」

2022年1月10日

カテゴリ:その他

「現役の教員が、若い教員志望者に仕事の魅力を伝える」ことを目的に昨年3月に文科省が始めた「#教師のバトン」。その結果は皆さんご存じの通り、目的達成にはほど遠い状況になっています。ミルミルの経験から考えても、「当然だよね!」と思える結果ですが、文科省の官僚の皆さんが現実の学校現場をいかに知らないかを暴露する結果になってしまいました。でも、その人たちが、教育政策を作っているんですよね。
ミルミルが学校に勤務していたのは、7年前までの37年間。年々勤務状況は厳しくなり、自宅への持ち帰り仕事も増え、不登校だけでなく発達障害の子どもたちも保健室で抱え込み、じっくり教材研究やほけんだよりのネタ作りをする時間も、職員室で他の先生方と話合いをする機会も、校外で研修をする場もどんどん減っていく・・・というのが現実でした。
その上、今はコロナ。現場の仲間からは悲鳴しか聞こえてきません。
その上、フッ素洗口。以前指摘したとおり、洗口でコロナウイルスを教室中にまき散らす可能性があることも無視し、コロナ禍でもフッ素洗口を止めない行政、学校・・・。
一方で、洗口による感染拡大の可能性を考え、フッ素洗口を中止している学校もたくさんあります。
「フッ素洗口のある日は、いつもよりずっと早く出勤しないと間に合いません」と、ある養護教員が話してくれました。もちろんここで言う「いつもより早く」は、勤務開始時刻の1~2時間以上前を指しています。コロナ禍では、朝の健康観察や体温測定、消毒などの作業がさらに加わります。「フッ素洗口のある日は、何があっても休めません。例え子どもが病気でも休めませんよ。
という声もありました。養護教員以外の教員が洗口液を準備することは、不可能です。しかも、洗口液づくりは、一歩間違うと子どもたちの健康に影響を与える成分を含んでいますので、「それを考えると、すごく緊張して何度も確かめます」と言った養護教員もいます。実際に、希釈濃度を間違える事故は、過去に何件か起きています。かつては「フッ化ナトリウム」の試薬を使っていたことのある養護教諭は「朝からゴムの長~いエプロンを着て、ゴーグルで目を覆い、ゴム手袋をして希釈していた」そうで、自分の目や口に「フッ化ナトリウム」が入らないか、自分自身の命の危険すら感じながら作業をしなければいけなかったそうです。
こんな作業が、教育機関である学校に必要なのでしょうか。しかも効果に疑問のあるものを・・・。
「フッ素洗口」という「#バトン」は、後に続く養護教員はもちろんのこと、子どもたちにも渡してはいけません。一人でも多くの仲間がバトンを受け取らずに済むように、まだまだ活動は続きます。

「う歯予防に効果」は問題がいっぱい!

2022年1月10日

カテゴリ:その他

以前「新着情報」で、科学的見解の信頼性を表にして載せました。それによれば最も科学的に信頼できるのは「システマティック・レビュー」でした。
う歯の予防行為としてのフッ素洗口にも、この「システマティック・レビュー」が出されています。それによると、「フッ素洗口のう歯予防効果は、26%程度」とされています。つまり、4本う歯になれば、それを3本に抑えられる、ということになります。これが「システマティック・レビュー」の結論です。ただし、この結論の中には、歯みがきや食生活の影響は反映されていません。現実には子どもたちは歯みがきや食生活の影響を受けますので、この結果がそのまま当てはまる訳ではありません。
でも、とりあえず「システマティック・レビュー」ですので、それを基準に考えてみたいと思います。4本のう歯が3本になるのですから、今の子どもたちは4本以上のう歯があるのでしょうか。
残念なことに、12歳児の一人あたりう歯保有数は、2020年度で0.68本です。つまり、4本どころか1本にも満たない。0.68本の26%は0.17本。実感できるわけではありませんよね。意味あるんでしょうか?
さらに、日本は市販の歯磨剤に900~1500ppmのフッ化物が含まれていて、その歯磨剤を使っている子どもについては、「フッ素洗口を行っても効果の上乗せは7%しかない」というのが「システマティック・レビュー」の結論です。家庭での歯みがきでフッ素入り歯磨剤を使っている子どもが、学校でフッ素洗口をしても7%の効果しか増えない、という訳なのです。
にもかかわらず、「フッ素洗口はう歯の予防に効果がある」との宣伝文句で、多くの小中学校、幼稚園や保育所でフッ素洗口が行われています。
では、「システマティック・レビュー」のような結果が、実際の生活の上ででてくるのでしょうか。
残念なことに、実際の子どもを対象に、日本国内できちんと条件を整備した上で実施された科学的調査は存在しません。本当に効果があると言うのなら、ぜひきちんとした条件を整えてデータを取ればいいのに、と思うのですが、フッ素洗口を推進する団体にその気配は全くありません。「効果がある」という人たちが示すのは、学校でのフッ素洗口をいち早く取り入れた新潟県などの例ですが、これは他県とは比較になりません。
 というのは、新潟県内には、学校内に歯科診療台を設置して定期的に歯科医師が来校し、シーラント処置をしている学校があったり、デンタルフロスの指導や歯の相談会の開催など、他県ではなかなか実施できないような活動が盛んに行われているからです。これでは、う歯減少の原因がフッ素洗口なのか歯みがきなのか食生活なのかシーラントなのか区別がつきません。複合的な活動の成果を、全て「フッ素洗口のおかげ」にしてしまっているのでは、新潟県の状況がフッ素洗口の効果を証明しているとは、どう考えても言えません。
そこで、A県で行われていたフッ素洗口の様子に着目してみたいと思います。
A県では、比較的規模の小さい小学校数校(対象校の児童合計は500名前後)で、6年間フッ素洗口が実施されました。
その際、フッ素洗口の効果をできるだけ正確に把握するため、フッ素洗口開始前と実施中の条件をできるだけ同じにしました。
例えば、教職員はフッ素洗口についてできるだけ中立の立場を示し、子どもたちには敢えてフッ素洗口については触れない、歯に関する保健指導の回数や内容は洗口前と同じにする、歯科検診の回数や内容も洗口前と同じように実施する・・・・などです。学校現場でできる条件整備は、これくらいが限界でしょうか。中には、実施希望を取ったところ、ちょうど児童数の半分が洗口を希望し、半数が希望しない、という、願ってもない条件が揃ったところもありました。
さて、結果はどうだったでしょうか。
6年間のデータを比較したところ、フッ素洗口を実施した児童の方が、実施しなかった児童よりう歯が増え、歯肉炎を指摘される等の口腔内の環境も悪化してしまいました。
この結果を重く受け止めた教育委員会は、その後フッ素洗口を中止し、この数校を含めた周囲の小学校全てで昼の歯みがきを推進する、という方向に切り替えたのです。昼の歯みがきが徹底された結果、フッ素洗口を中止した小学校ではう歯の減少が見られたというのです。
フッ素洗口を推進したい方はよく「歯みがきではう歯は予防できない」とおっしゃいます。もちろん、う歯の「全て」を予防することは出来ないでしょう。しかし、フッ素洗口をしたことでう歯が増加し、歯みがきをしたら減少したのなら、歯みがきの効果は、
少なくてもフッ素洗口を上回るような気がします。ちなみに新潟県の学校での歯みがきは、95%の小学校で実施されています。
実はこれと同じような結果は、全国いろいろな学校で起きています。
フッ素洗口を実施している学校は、多くの場合洗口と同時に保健指導や子ども・家庭への声がけ、行政や歯科医師の協力の下、様々な活動を同時に行っています。A県でも、他の一部地域で小中学校のフッ素洗口が行われていますが、同時に学校での保健指導や保護者への啓蒙が非常に熱心に行われ、う歯が減少する、ということが起きています。
つまり、フッ素洗口と同時に、学校や家庭、行政がう歯予防に熱心にとり組んだ学校はう歯が減少し、フッ素洗口のみを実施し、保健指導や家庭、行政のやり方は洗口前と同じだった小学校はう歯が減らなかった、ということです。
科学的な信頼性という点から考えると、A県の事例だけでは不十分だとは思います。しかし、その一方で「フッ素洗口をすればう歯は減少する」という言葉も、科学的な信頼性が充分だとは言い難いこともA県の結果でよくわかります。

小学校高学年 皮膚を守るのは「脂(あぶら)」

2021年12月4日

カテゴリ:その他

次のような実験をしてみました。
A.水で10秒間手のひらを合わせて軽くこすりながら水洗いし、3回手を振って水気を切る。
B.石けんを使って5秒間手をこすって洗い、その後5秒間水で流し3回手を振って水気を切る。
C.Bを行った5分後にAを行う
どんな結果になるか、時間をおいて5回ほど繰り返して確かめてみました。
Aを行ったあとの手のひらには、水滴が残っています。特に手の皺の上には丸くなった水滴がいくつ      も付いていました。

 

 

 

 

 

Bでは、水分は手のひら全体にべったりとくっつくようにつき、水滴はあまりみられませんでした。
そして5分後のCは、Aと同じ結果になりました。
なぜこんな結果になるのだろうか?それは、手のひらにはからだから分泌された皮脂が付いていて、水洗いだけではその皮脂は落ちることなくついているので、皮脂に囲まれて水が丸くなるのです。
でも、石けんを使うとその皮脂が落ちてしまうため、水は水滴にならず、手のひら全体に広がったようにくっつきます。
しかし一度石けんで落ちた皮脂も、Cのようにしばらくすると再度手のひらに分泌され、また水滴をつくるようになります。
コロナ感染症の影響で、頻繁にアルコール消毒をする子ども達の中には、この実験と同じように皮膚を守っている皮脂が剥ぎ取られ、カサカサになっている子も増えています。その体験を生かした学習を考えてみました。
元になる実験は、手のひらをアルコールで拭き、中性洗剤を加えた水を1滴手のひらに垂らす、というものなのですが、アルコール消毒はアレルギー反応がある場合もあるので、誰でも体験できる石けん手洗いでやってみました。

    教材①

T:今日は手洗いの実験をしてみたいと思います。保健室に水屋が3つあるので、3人手洗いしてく
  れる人はいないかな。         

S:はい。手洗いだよね、やります。(3人を選ぶ)
T:では、これから私が言うとおりに手を洗ってくださいね。まず最初は水を流して手のひらを合わせて軽くこすってください。3人一緒にやるよ。では、はじめ。1,2,3・・・(10までカウントする)。終わったら、軽く3回手を振って水気を切ってみて。その手のひらをみんなにみせてください。水はどうなっている?
S:あんまりついていない
S:皺の上にたくさん水が付いている
T:その水はどんな形をしていますか?
S:丸い
S:楕円もある
S:なんかコロコロした感じ
T:なるほど。では3人はまた水屋に移動してください。今度は今と違ったことをしてみますよ。
最初に水屋にある石けんを手に取って、5、数える間手のひらを軽くこすって洗います。その後5、数える間に水で石けんを流して、さっきと同じ3回手を振って水気を切りますよ。では、はじめ(指示通りに行う)。さて、今度はどうなった?みんなにみせてください。
S:あれ、さっきと違う。水滴がない。
S:水が手全体に付いているよ。
S:水がべったり付いている
T:3人、ありがとう。最後にもう1回協力してね。手を拭いていいですよ。さて、最初に水で洗ったとき、手についた水は小さな水滴になって残っていましたね。でも石けんで洗うと、手全体に水が広がって濡れてしまっていました。私たちの手のひらには、からだの中から出てきたあぶらがついているんです。あぶらは水をはじきますよね。だから、水洗いだけだと手のひらに付いているあぶらにはじかれて、水は水滴になります。でも石けんを使うと、石けんはあぶらを溶かす作用があるので、手のひらのあぶらが溶けて、手のひら全体に水が付いてしまいます。ここで、皆さんに考えてもらいたいのですが、なぜ手のひらにあぶらがついているのでしょうか。このあぶらの役割はなんだろう。
S:水をはじく役割
T:水をはじいて、どうするの?
S:う~ん、わからない。
T:みんな経験あるはずだよ。手のひらのあぶらもとれてしまって、長い時間水分に浸かっている経験だよ。夕べも経験したんじゃないかな。
S:え~っ、なにそれ。わかんないよ。
S:そんな体験したかな。
S:わかった、お風呂!
S:あ、そうか。お湯だからあぶらがおちて、お湯に浸かっている!
S:手がしわしわになる!!
T:ほら、夕べも体験したでしょ。長い時間温かいお湯に浸かっていると、指先などがふやけてしわしわになるよね。(教材①)これは、おなかの中の赤ちゃんの写真です。おなかの中の赤ちゃんは、「羊水」と呼ばれるぬるま湯の中に9か月以上浸かっているので、皮膚がふやけないようこんなふうにからだにあぶらがついていて、皮膚を守っているんです。
では、お湯に浸かっていないときにあぶらがなかったらどうなるだろう。
何度も石けんで手洗いしたときとか、何度もアルコール消毒をしたときも同じ事が起きるよ。そんな時の手はどんな感じ?
S:カサカサする
S:パリパリして、つっぱったみたいになる
S:アトピーがひどくなって、かゆくなる
S:ひどいと皮がむけるよ
T:皮がむけるの?それは大変だね。アトピーの人には、みんなで配慮してあげようよ。他には?
S:皮膚が乾燥する
T:ということは、あぶらは皮膚が乾燥しないよう・・・
S:守っている
T:そういうことになるね。それは、手のひらだけではないよね。からだを覆っている全ての皮膚があぶらに覆われていて、守られているんです。では、最後にもう一回3人に手洗いしてもらおうかな。さっき石けんで洗ったので、皮膚の脂はとれてしまっていました。あれから5分くらいたったかな。では、また10数えるので水で手洗いして、3回水切りしてください。(10カウントする)さて、手をみせてください。
S:あれ、また水滴が出来てる
S:またあぶらがついたんだ
S:すごい、元にもどった
T:そうです。一度あぶらが落ちても、またからだの中から分泌して、皮膚を守っているんです。
S:なんか、安心する
S:でも、何度も繰り返すとカサカサのままだよね。
T:時間がたてばちゃんとあぶらが出てくるので、大丈夫だよ。でも、皮膚がむけたりするようなひどいときは、保健室に来てくださいね。保健室では、できるだけ添加物の少ない薬、例えば白色ワセリンとかアロエ軟膏などを塗っています。添加物の多いものを使いすぎると、かえって皮膚が傷ついてしまうので気をつけましょう。