中学生 むし歯を防ぐ水「だ液」

2019年11月26日

カテゴリ:ショート指導, その他

新しい小中の保健体育教科書には、「ステファン曲線」を基本にしたと思われるグラフが載ってるものがあるようです。そこで、某テレビ局のような誤解が生じないよう、酸性・アルカリ性が理解できそうな中学生には、ちゃんと説明したいと考え、ショート指導を考えてみました。
ちなみに、「酸性・アルカリ性・中性」は小学校6年生、「PH」は中学校3年生理科で学習します。

T:では、最初に(①)このグラフを見てください。これは、ステファン曲線と言って、あるものを口に含んだ後、口のある部分での酸性度の変化を示したものです。何かを含む前は、口の中は「7」と数字のあるところ、つまり酸性でもアルカリ性でもない、中性です。小学校で習ったよね。
でも何かを口に含んだ後は、中性から酸性に変化していきます。ここに点線がありますね。この点線を下回るとむし歯ができやすくなりますから、何かを口に含んだ後5分くらいたつと一番低くなり、やがて20分後くらいには点線の上に戻っていきます。つまり、この20分間が、むし歯になりやすいんだよ、ということを示したグラフです。
さて、みなさん、このグラフは、何を口に含んだ後のものでしょうか。
S:ご飯だ。
T:お米のご飯を食べた後、という意味?
S:違う。食事をした後です。
T:3食の食事の後、ということかな?
S:そうです。
S:おやつじゃない?
S:ジュースとか・・・。
T:3食の食事と甘いおやつやジュースではかなり違うよね。何が違うかな。
S:砂糖の量が違う。
T:お米の中にも糖分は入っているし、おかずの中にも糖分は含まれています。でもその量は、食べるものによってずいぶん違うよね。このグラフのような結果を出すのは、すごく難しくないですか?
S:う~ん、そうかも。
S:その日によって違ってくるか。
T:だとすればこれは、ある特定のものを口の中に入れた後の実験結果、ということになります。さて、何だろう。
S:ジュースだったら、同じものを飲めば大丈夫だと思います。
S:お菓子でも同じだったら大丈夫だよ。
T:さすが、皆さん!実はこれは(②提示)これを口に含んだんです。代表してAさん、飲んでみて。
S:(飲む)あ、おいしい、甘い!
T:当然。砂糖水だから。10%の砂糖水、つまり(③提示)この500ccのペットボトルの中に(④提示)50gの砂糖が入っている水です。かなり、甘い!
S:なんか、すごいよ、甘くて・・・。
T:つまりこのグラフは、口の中に10%の砂糖水を含んだ後の変化を示したもの、ということになります。もう一つ、質問です。口の中のどこを調べたのでしょうか?
S:えっ、口の中全体じゃないの?
S:わかった、歯の表面。
S:奥歯のかみ合わせ。
S:歯と歯の間。
T:全部言ったらどれか当たるって思ってない?
S:(笑い)
T:ではヒント。むし歯を作り出すミュータンス菌は、どこにいるの?
S:わかった、歯垢の中だ。
T:そう、正解は歯垢の中。しかも4日間歯磨きしなかった口の中の歯垢の中です。
S:4日も?
S:うぇ~、自分だったら気持ち悪い。
S:すごい汚れているってことですか?
T:そうだね、かなりですね。たっぷりと歯垢がついていたかもしれないね。つまり、口の中全体がグラフのようになるという意味ではない、ということになります。では、まとめてみますよ。このグラフは、(⑤)4日間歯磨きをしなかった人が、10%の砂糖水を口に含んだ後の歯垢の中のむし歯になりやすさ、を示したもの、ということでいいでしょうか。
S:はい!
T:3食の食事をした後は、これと同じ結果になるかどうかはわかりません。なぜなら、食事の中に含まれる糖分の量は献立によって違うし、さらにもう一つ、影響を与えるものがあるんです。このグラフで、5分後に一番低くなった後にどんどん中性まで回復しているのは、だ液の働きによるものです。食事をすると、だ液はたくさん出ますよね。ただし、人によって出る量は違います。そのだ液が酸性になっていた歯垢の中を、中性に戻してくれるんです。
こんな実験をした人がいます。(⑥)中性の水の中に、塩酸という酸性の液体を入れたところ、7から2.3まで下がったそうです。2.3だから、かなり強い酸性です。ところがこの人のだ液は中性で7.1あったそうですが、その中に同じように同じ量の塩酸を入れたところ、6.1までしかさがらなかったそうなのです。
S:へえ~、すごい。
S:それならむし歯できないよね。
S:だ液って強いんだ。
T:ただ、食事をした後がこの実験と同じようだとは限りませんよ。だ液の性質は、人によって違うこともありますからね。でも食事の時によくかんで、たくさんだ液を出すと、酸性だった歯垢の中をちゃんと中性に戻す力を、だ液は持っている、と言えるということです。それでも糖分をたくさん含んでいれば、やはりむし歯にはなりやすくなる。皆さんのからだは、こういう自然の働きを持っている、ということです。
S:よくかんで食べよう。

教材
①ステファン曲線のグラフ(インターネットにたくさんありますので、見やすいものを)
②紙コップの中に10%砂糖液を作っておく。
③500ccのペットボトル  何でもよいがラベルははずしておく
④角砂糖、もしくは粉砂糖  50g
⑤まとめを書いたカード「4日間歯磨きをしなかった人が、10%の砂糖水を口に含んだ後の歯垢の中のむし歯になりやすさ、を示したもの」
⑥実験を示した絵・・・この実験は岡崎好秀氏によるもの

 

小学校 土踏まずの役割

2019年11月26日

カテゴリ:その他

このショート指導は、遠足時に「足が痛い」と言ったA君との会話から、「土踏まず」や「扁平足」について知ってもらおうと考えて実施したものです。
「土踏まず」は、人間が二足歩行をするために発達させた独特の特徴です。でも、長時間外で走り回って遊ぶ子どもの姿があまり見られなくなった現在では、十分発達する機会が失われている、という指摘もあります。でも、本当は素晴らしい働きの一つなんです。
この実践は、試行錯誤の繰り返しでした。先行実践もあるので、まず同じように指導してみました。
でも、子どもたちの反応はイマイチで、「すとん!」と腑に落ちた様子が見られませんでした。
そこで、いろいろと修正し、考え、悩み・・・。未だにこれでいいのか自信がありませんが、ぜひみなさんに試して頂きたいと考えています。
ポイントは、足裏がアーチになっていることで、足裏にかかる力を跳ね返すことができる、ということです。ここでは、例えば赤ちゃんから次第に土踏まずが形成されていくことなどは、学びの要素として盛り込まれてはいません。「運動で発達する」ことを簡単に言葉で説明しているだけで、あくまでアーチになっていることの意味を理解してもらうための指導です。対象は小学生です。2学期の身長体重測定の後、ちょうど裸足になっているタイミングで実施しました。

T:では、からだの勉強をはじめていいですか?
S:(静かになって)いいです。
T:では、みなさん、丸くなって座ってください。自分の足の裏、見えますか?
S:見えます。
T:では、ここにも足の裏の絵(①②)が2枚あります。どちらかが人間で、どちらかがチンパンジーです。
S:先生、チンパンジーの足なの?手じゃないの?
T:手は前だよね。これは後の方、歩くときに使う足の裏の絵です。どっちがどっちだろうね。
S:(一斉に自分の足を見たり、隣の児童の足をみたりしている)わかった!
T:じゃ、Aさん、人間の足はどっち?
A:①です。
T:どうしてそう思ったの?
A:ぼくの足と同じだから。
T:みなさん、どう?皆さんの足も①と同じですか?
S:(「同じです」とか頷いたりしている)
T:正解!でも、人間の足とチンパンジーの足は、ずいぶん違う形をしているよね。どこが違うかな。
S:指の付き方が違う。
S:指が大きい。
S:人間の足は細長い。
S:人間の足に引っ込んでいる所がある。
T:ああ、なるほど。この引っ込んでいる所は何だろう。
S:(だれもわからない様子で、反応がない)
T:みんなにはある?引っ込み。
S:(自分の足を見ている)ある。
S:引っ込んでる。
S:あまり引っ込んでないけど、ちょっとはある。
T:そうか、人によって引っ込みの程度は違うみたいだけど、とりあえずみんなにあるみたいだね。この引っ込んだ部分は、名前を「土踏まず」と言います(カードを貼る)。土を踏まないんだって。つまり地面に着かないようにわざわざそうなっているということ。
S:(ちょっと間を置いて)え、なんで?
S:土を踏まないなら、いらないんじゃない?
S:なぜあるの?
T:なぜだろうね。歩くときに、足の裏はちゃんと着いた方がいいような気がするよね。その方がしっかり歩けそうだものね。
S:(頷いている)
T:じゃあ、ちょっとした実験をしてみましょう。(③を見せて)これを足だとして、土踏まずがあるみんなの足は、こんな(③をアーチ型にする)感じかな。ここに、このちょっと重いボール(④)を落として見ます。どうなるかな。(④を何度か落とす)どうなった?
S:ボールがはねる。
S:下敷きがボヨン!となった。
T:下敷きが跳ね返したのかな?
S:うん。
T:そうか。もし土踏まずがなくて、平らだったら?
S:跳ね返らない。
S:ガーン!って当たるかも。
T:やってみよう。(平らにした③にボールを落とす)
S:やっぱり・・・。
S:なんか、痛そう。
T:土踏まずの役割が何となくわかったかな。じゃあ、聞いていい?土踏まずは、どんな役割をしているのだろう。
S:跳ね返す役割。
S:何かぶつかったときに、跳ね返す。
T:ぶつかったときだけかな?みんなが普段普通に歩いていると、みんなの足には体重の1,2倍の重さが加わるんだって。体重30キロの人なら、36キロの重さだよ。
S:え~っ、そんなに?
S:じゃあ、歩いているときにも跳ね返しているんだ。
S:36キロを?土踏まずで?こんなところで?
T:高さ80センチから飛び降りると、体重の3倍の重さがかかる。
S:え~!!(全員の大きな声)
T:自分と同じ体重の人、3人が、足に乗ったのと同じ重さだよね。でもみんな80センチの高さなんて、何ともなくてとんでるよね。
S:(頷く)
T:土踏まずのおかげで、何ともなくてすんでる、ということになるよね。どう思う?
S:はじめて知った。
S:すごいね、土踏まずって。
S:そんなに重さがかかるなんてびっくりした。
S:土踏まずさまさまだ。
S:土踏まずがあってよかった。
S:土踏まず、ありがとう!
T:でもね、土踏まずは、みんなが足を使って活発に運動をすることで発達するところなんです。だから、人によっては土踏まずが小さい人もいる。土踏まずが小さい足を「扁平足」といいます。「扁平足」の人は、長い時間歩いたり運動したりすると、足が痛むことがあります。でも、大概は少し休むと治るから大丈夫です。
S:先生、高いところから飛び降りても大丈夫?
T:高さによります。3メートル、なんて高さは、どんなに土踏まずが頑張っても、怪我するかもしれないね。この前、みんな骨を割ってみたよね。(ほけんだより「骨ってかたい・・・でも」)
S:そうだ、硬かったけど、割れたよ。
T:そうだよね。折れたら困るものね。でも、普通の生活の中では、歩くときも、走るときも、ちょっとした高さから飛び降りるときも、土踏まずがみんなの足を守ってくれている、ということだよ。土踏まずが小さいなあ、と思っている人は、いっぱい運動すると、土踏まずができていくそうですよ。できたらこれからの生活でも、少し土踏まずの役割を思い出してくれるといいかな。では、今日の勉強はこれでおしまいです。

普段は、ショート指導で文章を書かせる、ということはあまりしないのですが、このときは数人に書いてもらいました。
・一度だれかに、「扁平足で高いところから跳ぶと、足を痛めるから危ないよ」といわれたことがある。その時はなぜなのかわからなかたけど、今日はわかった。
・ぼくの体重を3倍にすると、こんなに重くなるなんて、はじめてわかった。びっくりした。重いけど、土踏まずさん、よろしくお願いします。(この子は、一斉指導の後、友達を2人背負って、「3倍の重さ」を確かめようとしたそうです)
・あんな重さがかかっても骨が折れないのは、信じられない。ちょっと引っ込んでるだけなのにな。

教材は・・・
①人間の足型(ネットで取れます)   
②チンパンジーの足形(これもネットで)   

③下敷きを人間の足形に切り取ったもの(実物大でなくても、見やすい大きさで作る)    
④紙粘土で作った丸いボール型のもの(軽量紙粘土でないもので製作)

 

第39回 日本フッ素集会

2019年11月14日

カテゴリ:その他

11月4日、日本教育会館で「第39回 日本フッ素集会」
が行われました。会場は全国からのたくさんの参加者でいっ
ぱいです。

午前中は、中国でフッ素とアルツハイマー病の研究をしてい
る貴州医科大学教授 官志忠氏の講演でした。中国は、フッ
素症の患者が昔から多くみられる国です。そのため、フッ素
の害について熱心に研究に取り組んでいる国でもあります。
中国のフッ素症の原因は、フッ素による水質汚染、石炭の燃
焼による汚染、そしてお茶の汚染です。フッ素症は、全身に様々な症状を引き起こします。さらに地域フッ素症では、
子どもの認知機能とIQの低下も見られるそうです。そのこ
とから官氏は、フッ素とアルツハイマー病の研究をしている
とのことです。英語での講話でしたが、資料と所々での日本
語の解説のおかげで、少しはわかったような気がします。
(専門家の話は難しい・・・)

この日、私が最も関心を持って聞いていたのは、今年5月
8日に放送されたNHKの「ためして ガッテン!」に関
する情報でした。

放送内容は、「スウェーデンでは、一人あたりの砂糖消費量が日本の2倍なのに、成人う蝕が極めて少ない理由は、イエテボリ法(フッ素入り歯みがき剤で歯磨き後、水でうがいをしない方法)による歯磨きの効果である(フッ素研究№38より抜粋)」というものでした。
この放送後すぐ、日本フッ素研究会、フッ素問題全国連絡会、健康情報センター、薬害オンブズパーソン会議仙台、コンシューマネット・ジャパンが連名でNHKや番組宛に抗議文を送ったのですが、きちんとした回答はなかったそうです。「受信料をとっているのに、なんと不誠実な・・」とは私の感想。ステファン曲線を「食後の口の中のPHの変化」として紹介したTV番組に質問のメールを送ったことは、他の記事でお話ししましたが、あれもNHKです。

NHKの対応が十分でなかったため、国会議員を通して、国に質問書を送り、内閣から「内閣総理大臣 安倍晋三」と名前のある公式文書で回答を得ることができ、その結果がこの集会で報告されました。その中から、「えっ、なんなの?それ!」と私が感じた内容を紹介します。 

まず、そのイエテボリ法についての回答
「医薬部外品である歯磨剤(歯磨き粉)は、歯をみがくことを目的とした口腔用の外用剤であり、口腔内をゆすいで吐き出すことを行わずに、嚥下することを前提としてその製造販売の承認が行われているものではない」
つまり、歯みがき剤は吐き出すことを前提に、販売が許可されている、ということです。吐き出さないで飲んでしまうのなら、販売が許可されない可能性もあるかもしれない、とも考えられます。ついでにある新聞の記者さんが知り合いのスウェーデンの方数人に確認したところ、「そんな方法で歯みがき剤を使ってはいない」「聞いたこともない」という返事だったとのこと。なんと・・・!ついでに「日本よりスウェーデンのほうがむし歯が少ない」という説も、全く逆のデータも歯科医師会から出ているそうです。

もう一つ。
「エナメル質のハイドロキシアパタイトの水酸基がフッ素イオンと置換して、フルオロアパタイトになるということを科学的に確認した実験データはあるか。あるならその出典を記されたい」という質問についての答え。
「お尋ねのデータについては、いずれも把握していない」

「はぁ・・? なにそれ!」。これまでフッ素がむし歯予防に効果がある、と言い続けてきた理由は、この質問の「エナメル質のハイドロキシアパタイト~」の作用だったはず。にもかかわらず、それを「科学的に確認したデータ」を「把握していない」の?だったら何を根拠にむし歯予防に効果があるなんて言えるの??・・・・いくら「?」を並べても納得できないくらいの話です。

今までだって、そして今だに「学校での集団フッ素洗口」に振り回されて、子どもたちと一緒に過ごせるはずの多くの時間を奪われ、フッ素洗口のたびに不安感に包まれながら仕事をしている教員が全国にたっくさん!いるんですよ!!と空しくなるばかりです。

「お答えするのは困難です」という答えが繰り返し並ぶ回答を見て、本当にがっかり!どうしましょうかね、これ。

ちなみに11月12日にこの国会質問の続きが行われました。興味のある方は
「2019年11月12日、衆議院消費者問題特別委員会」のタイトルでYourtubeで探してください。

目の名前をおぼえよう

2019年10月18日

カテゴリ:その他

さて、このほけんだよりのタイトル通りに目の簡単な名前をおぼえてもらうために、どうしましょうか?もちろん、目の図を使って、「ここはまぶた」「ここはまゆ毛」と説明してもいいのですが、この方法だとどのくらい子どもたちの意識に残るのだろうか、と「?」ですよね。
そこで、名前の由来を取り上げることで、その名称の意味を考えてもらう活動を入れてみました。
「目にもお尻があるんだ!」「へえ~、目の頭だって。」「ホントだ!目の蓋だよ。見えなくなっちゃった。」なんて反応が出れば、十分です。

ちなみに、目頭は「まがしら」と読むこともありますし、目尻は「まなじり」と読むこともあるそうですが、ここでは子どもたちにとって一番身近な呼び方を使いました。

教材の作り方

使い終わった掲示物の裏に、ちょちょっと書いた目の絵。答えは直接絵に担任に書き込んでもらいます。
学級での意見や感想を自由に書き込んでもらいましょう。

目は脳につながっている!

2019年10月18日

カテゴリ:その他

 

ある小学校に勤務していた時のこと。この学校では、子どもたち
一人一人自分の生活やからだに合わせて、「健康目標」を設定し、同じ目標を持つ子どもたちがグループになり、グループ毎に様々なからだの学習を行っていました。
その中で「睡眠」のグループ(「ねむり隊」という名前がついていました)で、睡眠を支配する脳を「見てみようよ」という意見がまとまりました。もちろん、実物の脳が見たい、というのです。
最初はオタマジャクシ、次に魚屋さんから買ってきたニシン、そして最後に知り合いのお寿司屋さんから譲ってもらったハマチの頭で試してみました。その様子はミルミルの著書「保健室発 からだの学習」にまとめてあります。それぞれの生き物から学ぶこともたくさんあったのですが、ハマチから取り出した脳は、とってもきれいなピンク色に、細~い血管が走る、みごとなものでした。
そこで、「これはねむり隊の数人だけで見るにはもったいない!」と思い、ほけんだよりにしてみました。

このほけんだよりは、唯一「カラー印刷」してあります。白黒で印刷してもわかりますが、やはりきれいなピンク色を実感してもらうには、カラーがいいですよね。それぞれの事情に合わせ、印刷してください。
また、使用した画像を一緒にアップしますので、単独でカラー印刷してもいいでしょう。

教材として使用する「目と脳の図」はインターネットで見つけることができます。

目の「どこ」が悪いの?

2019年10月18日

カテゴリ:その他

 

秋の視力検査を実施する学校も多いと思いますが、この機会に目のしくみを学習するほけんだよりを考えてみました。単に「毛様体というところがあって、その筋肉の調整力が落ちると、視力が落ちるんだよ」と説明するのでは無く、目の簡単な構造を提示し、その役割をヒントに目の一体「どこ」の機能低下が、視力の低下を引き起こすのか、子どもたち自身に考えてもらうことにしました。
ほけんだよりに載せた目の構造図も、いろいろと書き込みたいこともあるのですが、答えを引き出すために必要な内容だけに絞りました。ついついあれも、これも・・・と盛り込みたくなりますが、そこはぐっとガマンです。
もちろん、視力低下は調節性近視だけでは無いので、軸性近視については眼科検診の事前指導で学習できるようにします。できれば遠視や乱視も取り上げたいところですが、まずは子どもたちにとって身近な近視を取りあげておきましょう。

 

教材の作り方

右が教材1,左が教材2です。両方とも紙粘土で作ったものに、絵の具で着色したものです。中央の青の部分を先に作り、その周囲に茶色部分をつけると作りやすいです。

 

 

 

 

 

 

正しく理解 ステファン曲線

2019年8月14日

カテゴリ:その他

養護教員なら一度は目にしたことがあるステファン曲線。ご存じですよね。

みなさんは、このグラフ、どのような実験の結果だと思われますか?
多くの場合、このグラフについているタイトルは

「食後の口の中のPHの変化」とか、
「飲食後の歯のPHの変化」です。
つまり、「食事をすると、このグラフのように口の中のPHが酸性になり、むし歯ができやすくなる。その後少しずつ再石灰化が進んで、少し溶けた歯の表面が元にもどっていく」
多くの方は、そんなふうに思っているのではないでしょうか。
さらに最近は、「食後のハミガキは、臨界PHを越える20~30分後が望ましい」
といったことも言われるようになりました。
場合によっては、このステファン曲線を1日の食事やおやつ全てにあてはめ、何度もPHが上がったり下がったりするグラフを作っている場合もあります。

しかし、このグラフは、
「10%ブドウ糖液を口の中に含んだ後、歯垢内でのPHの変化」
を示したものです。
つまり、普段の朝、昼、夜の食事の後を調べたものではないのです
10%ブドウ糖液といえば、350ccのジュースに、35gの砂糖が入っているものと同じになり、かなり甘い飲み物であることがわかります。しかも、固形ではなく液体なので、小さなすき間にも入り込みやすくなります。
さらに、このPHは「口の中」というより、「口の中にある歯垢の中」の数字です。解説によっては、「4日間歯磨きをしなかった場合の歯垢の中のPH」としている場合もあります。4日間磨かなかったら、かなりたくさんの歯垢がついていることが想像できます。
それでもやはりこのグラフは「歯垢の中」のPHであり、口全体が、このようなPHになるとは限らないのです。

ちなみに、普段の食事で、歯垢の中ではなく口全体のPHが、どのようになるのかを調べた実験はありません。

みなさんは、「10%ブドウ糖液を含んだ後」を、「食後」と言いますか?
「歯垢内のPH」を「口の中のPH」と表現すれば、子どもたちが誤解しやすくなることはおわかりですよね。

科学的に正確な情報を子どもたちに伝えるため、まず私たちが正しい知識を持ち、そのしくみについて理解を深めませんか。
むし歯になるのは、ミュータンス菌が悪いから・・・でいいのでしょうか。
ミュータンス菌をはじめとした細菌を、凶悪な表情で描き、槍なんか持たせていないでしょうか。

健康なときも、病気の時も、若いときも、老いたときも、私たちのからだは見事な仕組みで反応し、命を守り、或いは壊れながらも生きているのだということを子どもたちに伝えていきたい、と私は考えています。

小・中どちらも おなかの中で育つ命

2019年8月6日

カテゴリ:その他

この授業は、使用する用語や授業者の発問のしかた、教材の
提示方法によって、小学校4年生から中学校1年生まで実施
することができます。小学校4年生でも中学校1年生でも、
共に保健体育の二次性徴の学習の後に、発展として位置づけ
てみてください。

この授業で焦点化されているのは、「母体内で育つ自分の姿」
です。今、生きている自分が、命を維持するために行ってい
る行為を「おなかの中ではどうやっていたの?」という問い
から授業は始まります。ですから、授業を受ける子どもたち
の視点は、あくまで「胎児だった頃の自分」です。そうする
ことで、単に説明を聞く他人事のような捉えではなく、自分
自身のこととして受け止めることができるようにしてみました。

もちろん、単に説明が続くような授業にはなっていません。
「からだの学習」ですから・・・。

小学校4年生でも、「食べる」「呼吸する」「おしっこ」「うんこ」「寝る」「服を着る」「運動する」の7つについて、子どもたちはいろいろ予想しますから、中学生であればさらに気づきのある予想がでてきます。つまり、この7つの項目は、子どもたちにとって十分な「予測可能性がある」ということです。ただし、最後の「運動する」は、なくても、授業の流れの中で自然に出てきますので、削除してもかまいません。「寝る」のところで子どもたちはちゃんと気づいてくれます。

授業は、子どもたちの予想を出し合った後に、3ヶ月、6ヶ月、9ヶ月と胎児の成長を追っていくことで、答えが出るようになっています。授業者の発問は、ほとんどが子どもたちに対して気づきのポイントとなることを疑問形で投げかけ、写真や模型を使って胎児の様子をみながら考えていけば、答えがみつかる、といった具合に進んでいきます。子どもたちが自ら検討して結論を導くのに必要な情報を、授業者が提供すればいいのです。授業者の一方的な説明は、ほとんどありません。

小学校4年生で実施したときの子どもたちの感想をいくつか紹介します。性の学習をはじめとした保健教育全般で使った資料や学習プリントは、子ども一人一人のファイルを準備して、その中に全て綴じ込んでおくようにしました。性の学習が終了すると授業のまとめのプリントを作成し、ファイルに綴じて家庭に持ち帰らせます。まとめのプリントには、できるだけ多様な感想が載るように、そして1年間で性の学習以外の保健教育も含めて、全員1回は感想が載るように工夫しました。
また、書かれた感想には、必ずコメントを書いて返しますが、場合によってはまとめのプリントを配布する際に、担任から学級全体にフォローしてもらった上で配布することもあります。

 

・今日の学習は、赤ちゃんの勉強でした。でも、赤ちゃんが呼吸をしないし、食事もしないとはびっくりしました。お母さんのからだの中で、おしっこをしているほうが、もっとびっくりしました。でも、ぼくもこういう動作をやって生まれてきたから、すごいと思いました。やっぱり赤ちゃんも人間の大人と、だいたい同じなんだな、と思いました。

・ぼくは赤ちゃんはおなかの中でおしっこをしていたことをはじめてわかって、びっくりしました。あと、へその緒を通って、酸素が来ているから、呼吸はしていないということも、はじめてわかりました。産まれたときは、声を出さないと死んでしまうこともあるので、ぼくは声を出せてよかったと思いました。

・毛あなから油がでるなんて、びっくりしました。あと、おなかの中でおしっこをするとは、思いませんでした。羊水が6時間毎に入れかわるとき、どんなふうにして入れかわるのか、気になりました。ぼくたちのからだは、とてもすごいと思いました。

・自分が生きるために、いろんなことをしているのが、すごいと思った。おなかの中にいた時のきおくがないのが、不思議に思えた。今の自分よりも倍、頭がいいと思った。おなかの中にいたときくらい努力したい。

・ちょっとびっくりすることもありました。おなかの中にいるときは、いろんなことをしていて、すごいと思いました。おなかの中にいても、練習とか、いろいろやっていることがわかりました。へその緒はすごいと思いました。わたしはこんなふうに産まれてきたなんて、今日はじめてわかりました。

教材の作り方

授業で使用する写真は、次の書籍から使用しました。

3ヶ月の胎児の写真 ・・・・・「生まれる」P81

6ヶ月の胎児の写真・・・・・「おなかの赤ちゃん」 P49

油がついた胎児の写真・・・・・「おなかの赤ちゃん」 P38

指しゃぶりをしている胎児の写真・・・・・「おなかの赤ちゃん」 P48

9ヶ月の胎児の写真・・・・・「おなかの赤ちゃん」 P52~53

誕生の写真・・・・・「誕生の詩」 P14

~出典~

「おなかの赤ちゃん」    シェイラ・キッチンジャー文  レナート・ニールソン写真
              (講談社)

「生まれる~胎児成長の記録」  レナート・ニールソン写真  松山 栄吉訳  (講談社)

「誕生の詩~あかちゃんのはじめての時間」   トーマス・ベリイマン写真、文  (偕成社)

水に浮かんだ人形
市販のキューピー人形の中に、適当な重りを入れて、ビニール袋に入れた水に入れ、ちょうど中央に浮かぶように調整する。

 

 

 

千本ゑんま堂、千本釈迦堂、雨宝院、妙蓮寺、本法寺

2019年7月19日

カテゴリ:その他

このルートは、千本ゑんま堂(引接寺)から全線徒歩のルートです。
途中、「たん切り飴」で有名な飴屋さんもあります。
正直に言いますと、「たん切り飴」は、あまり期待を持って行ったわけではなかったのですが、
なんと食べてみるとおいしい!!
やっぱり長い年月を経て受けるがれたお店の味は、甘く見てはいけない!ごめんなさい、です。

千本ゑんま堂(引接寺)

本堂の中に、大きな閻魔大王の像があり、これがご本尊。
お寺の方が丁寧に説明をしてくださいます。
閻魔大王は、地獄の入り口で、死んだ人の行き先を一人で決めていたような印象がありますが、じつは何人かいる判定員の一人。
死んだ人を地獄に送りたくない、という思いから、地獄の恐ろしさを伝えようと恐ろしい形相をしているのだそうです。

もともと千本通りは「蓮台野」と呼ばれた風葬の地。
その謂われにふさわしく、ちょっと怖~い写真などもありました。

庭には、「ゑんまどうふげん」という名前の普賢象桜があります。
この時は、木が遠くにあったこととまだ花がたくさん開いていなかったこともあって、名前の由来と桜の関係がよくわからなかったのですが、後ほど千本釈迦堂で、なるほど!と納得しました。

大報恩寺(千本釈迦堂)

おかめ伝説のお寺。
本堂の前に大きな普賢象桜があり、この木は間近で見ることができました。
なるほど、花の中心から長いめしべがでています。
これが、普賢菩薩の乗る普賢象の鼻に似ているので、この名前がついたとか・・・。
かなり想像力豊かな人が名付けたんでしょうね。でも、八重桜で、とってもきれいな桜です。

このお寺のお勧めは宝物殿です。
鎌倉時代の名仏師快慶、定慶作の仏像がたくさん並んでいて圧巻です。
どの仏像も、柔からに流れる線と、また一方では力強い立ち姿に、なんだか肩の力が抜けてしまいました。
いつまで見ていても見飽きない、そんな気分になりましたが、今日の日程はまだまだ詰まっているので、30分ほどで切り上げました。
また来ようっと。

雨宝院

細い路地の中にある小さなお寺なんですが、もう入り口から人がいっぱい。
ここは知る人ぞ知る桜の名所なんです。
狭い境内には、見上げると桜の天井が広がっていて、しかもソメイヨシノではなく、八重桜や御衣黄桜(ぎょいこうざくら)といった、珍しい桜もあります。

また、つい最近まで秘仏だったという「千手観音立像」は、重要文化財に指定されていて、有料でしたが、見せてもらうことができました。
京都市内の美大の先生が、この仏像を見せるため学生さんを連れてくるほど、見事な仏像だと、お寺のおばさんが説明してくれました。
1200年前の仏様なのに、金箔も表面に残っていて、切れ長の優しい目の仏様でした。

御衣黄桜・・・黄緑色の八重桜  貴族の衣装である萌黄色に近いため、高貴な桜として珍しがられたそうです。見事な萌黄色でした。

妙蓮寺

このお寺には長谷川等伯のふすま絵があるのですが、残念ながら予約しないと見られません。
次回はぜひ予約してから・・・。
千本通り近辺は、応仁の乱で戦場になった場所で、多くの寺が焼け落ちて再建されています。
妙蓮寺はさらに江戸時代にも大火にあって、ほとんどが焼け落ちた後再建されているためか、とてもきれいなお寺でした。
お庭も新しく作られたところがあり、静かなお部屋で、桜の花びらが舞い込むお庭をゆっくり見てきました。

本法寺

この日最後に訪れたのが本法寺。
お目当てはちょうど開催されていた長谷川等伯の特別展です。

長谷川等伯は皆さんご存じのように能登の生まれですが、40才を過ぎた頃に京都に上り、絵師としての成功を収めた人です。
本法寺は、その等伯が拠点とした寺。

私は等伯も好きなのですが、息子の久蔵が書いた「桜図」(智積院蔵)がとても好きです。
本法寺には、等伯が書いた「大涅槃図」があり、ちょうとそれが公開されていました。
1階から2階にかけて展示されている大きな絵図で、向かって左側に等伯の自画像ではないかと言われる人物が書かれているとのことでした。

また、お庭も本阿弥光悦の作と伝えられており、多くの有名人に支えられ、信仰を集めたお寺だったんでしょうね。

俵屋吉富のお店でお茶しました。桜の季節に合わせ、華やかな和菓子に癒やされます。
裏千家、表千家がすぐ目の前なので、お着物姿の方がいて、またまたほっとしました。

まばたきの役割

2019年7月17日

カテゴリ:その他

 1980~90年頃にかけて、「こどものからだがおかしい」
という指摘が、日本全体で大きな話題になったことがあります。
日体大正木健雄教授が中心になって作成した報告書で指摘され
たのは、「朝礼でバタン、背中ぐにゃり」などなどの子どもの
身体の変化でした。発育学の観点から問題提起されたものです。

 学校で実際に子どもたちと接していても、同様に「なんだか
おかしい」と感じることはたくさんありました。そのおかしさ
の一つに「物がとんできても、とっさに目をつぶ
れない」という
ものがありました。

 あれから30年経って、子どもたちの変化は、どんどん大き
くなっているように思えます。転んでも手が出ない、小学校
1年生でも視力が1.0まで発達していない、土踏まずが形成
されない・・・etc。とっさに目をつぶる働きとは違います
が、まばたきが大切な役割を果たしていることを伝えようと考
えて、ほけんだよりを作ってみました。