保健室に鍵・・・?

2024年1月30日

応援メッセージです。

寒さが最も厳しい季節です。感染症も流行る時期で避難所の運営、学校の再開はいつも以上に気を使うことばかりだと思います。ご尽力されている様子は報道されないので想像するばかりですが、本当に頭の下がる思いです。きっと24時間開店モードになっていたり、お正月からずっと休みのない方もおられるのではないでしょうか。どうかほっと一息つく時間を確保され、ご自愛していただけたらと思います。

長野県 養護教諭さん 

 

次々と報道される学校再開の知らせや電気、水道などのライフライン復興のニュースに、確実に回復しつつある被災地の様子を感じています。嬉しいですね。
まだまだ十分でないところもあると思います。そういうところにもっと国の支援を入れるべき💢・・・と思いながら、でも確実に前進していますよね。

今回は3,11の後のミルミルの経験について。

2011年は、2009年から始まった「教員免許更新制度」のため、ミルミルは埼玉県のある大学で、8月の1週間集中講座を受講することになっていました。地元の大学は申し込みが殺到していたので、それよりも楽に予約がとれる方法を選んだのです。

その講習では参考になることもたくさんあり、充実した1週間・・・・になるはずでした。

あと2日で講習が終わるというある日。講師としていらした先生が、数ヶ月前に起きたばかりの3,11についてこんな話をしたのです。

「みなさん、保健室には普段から鍵をかけておきましょう。東日本大震災のようなことが起きると、地域住民は土足で保健室に入ってきます。そして保健室から、必要でもない絆創膏などを持って行ってしまいます。学校が始まったときに、子どもたちにあげる絆創膏がなくなってしまったら大変です。久しぶりに学校に行ったら、保健室のベッドに妊婦さんが寝ていた、なんてなったら、困るでしょ?」

耳を疑いました。この先生は、何を言っているのだろう、と信じられませんでした。

3,11のようなすさまじい被害が出ているときに、保健室に鍵をかけて、地域住民が入れないようにする?薬品を確保して渡さない?冷たい体育館の床に、妊婦さんだけでなくけがをした人や介護の必要なお年寄りが寝ていても、保健室のベッドは使わせない?

猛烈に腹が立ちました。会場には被災地から参加している養護教員もいました。彼女たちは、どんな気持ちでこの言葉を聞いたのでしょう。それを思うと、一層情けない気持ちになりました。

今回の能登半島地震でも、大変な思いをした養護教員の皆さんがいらっしゃると思いますが、3,11の時は、教員がいる状態の学校が、真っ先に避難所になりました。

津波に巻き込まれて大けがをした人、海水でぬれて低体温症になっている人、倒れた家の下敷きになり助け出された人、出産間際の人、自宅で介護を受けていた人、人工呼吸器をつけている人・・・・etc。

そういった人たちの応急処置を養護教員がせざるを得ない状況になり、さらにはそうやって手当をしていた体育館に津波が押し寄せ、養護教員自身も体育館の2階ギャラリーまで波にのまれて押し上げられた、という人だっています。

こんな時に、保健室に鍵をかける必要は・・・絶対にありません。
みんなで、手元にあるものを全て使って、一人でも多くの人を助ける以外になにがあるというのでしょうか。

きっと、被災地の様子を十分知らないまま、想像で話をしたのであろうと思いますが、それでもこの先生の言葉は、13年経った今も私の記憶にはっきりと残っています。

さしずめ今なら・・・
「困りませんよ!!むしろ避難所になっている体育館に行って、妊婦さんが冷たい床に寝ていたら『保健室のベッド使ってください』と言って連れてきますよ!!」
とでも言っていたのでしょうか。

きっと能登半島地震では、多くの養護教員が、保健室の薬品や備品を惜しむことなく被災者の皆さんに提供しただろうと思います。
そうやって、災害の時は助け合っていけるのが、日本人の素敵なところなのですから。