保健室発 からだの学習 『観』を育む小中の健康教育
ようこそ保健室へ。ポケット小中学校の養護教員ミルミル先生です。あなたのお役に立てるものが入っているかな?
   

今年は「五黄の寅」

2022.01.10

皆さん、あけましておめでとうございます。
今年も「保健室のポケット」が、少しでも皆さんのお役に立てれば幸いです。
今年は「五黄の寅」。そもそも勢いのよい寅が、さらに元気な年、飛躍する年、ということですが、新年早々から「オミクロン株」の爆発的流行で、「どんな飛躍の仕方?」と不安も感じます。
せめて国や行政が、昨年の反省を生かした対応を取っていただけるとありがたいですよね。
さて、今回は「子どもの歯と健康を考える会」に2つの記事をUPしました。
ぜひご覧ください。

昨年11月に、友人からいただいた「花だいこん」の種を植えました。芽が出て、今はベランダでちょっと寒いけれど確実に成長しつつあります。
「花だいこん」は、春に薄紫の花をつけます。
第二次世界大戦初期、満州を転戦し疲れ果てたある兵士が、紫禁城のほとりに群生するこの花の優しさに心打たれ、「命あって日本に帰り着けたら、悲惨な戦争を繰り返さないように日本にもこの花を咲かせよう」と考えて持ち帰った花だそうです。
せめて「五黄の寅」の勢いを借りて、たくさんの花が咲いてくれるといいのですが・・・。さらに、世界中にも平和が勢いよく広がる年になるよう、五黄の寅!がんばってちょうだい!!

この犠牲は誰の責任?

2021.12.04

ショート指導に「皮膚を守るのは『脂(あぶら)』」、子どもの歯と健康を考える会に「フッ素の神経毒性」をUPしました。「皮膚を守るのは『脂』」は、保健室で実験が出来ます。

先月、友人から1通のメールが届きました。そのメールに添付されていた新聞記事によると・・・
集団フッ素洗口を行っているある学校で、洗口液と消毒用アルコール液を間違え、洗口に使用した、というのです。洗口後に気がついたものの、何人かの子どもは頭痛や腹痛、口腔内や喉の違和感を訴えたというのです。                                                                
子どもたちは、どんなにびっくりしたことでしょう。そしてこの学校の担任や養護教員は、どんな思いだったでしょうか。それを想像すると、本当に胸が苦しくなると同時に、怒りがふつふつとこみ上げてきます。
学校は今、新型コロナ感染症の予防に神経と時間と労力をすり減らしています。
もともとブラック企業の代表選手のような学校が、一層追いつめられ、疲弊しているところに、フッ素洗口を持ち込んだのは、一体誰なんでしょうか。子どもたちを犠牲にしておきながら、その人は責任を取らないのでしょうか。
こんなことが起きる可能性があるからこそ、学校のような集団の場で劇薬指定のフッ化ナトリウムを扱うべきではない!!と今まで強く主張してきたのです。
そもそもフッ素洗口は教育活動ではなく、医療行為に近いものです。教育職である教員や養護教員が行うべき行為ではないのです。薬事法に照らし合わせても、資格のない教員や養護教員が、薬剤師の見ていないところで洗口液を分けること自体も法律に違反している可能性があります。こんなことは、今すぐ止めるべきです。
むし歯を予防する方法は他にもたくさんあります。一時的にフッ素を使ってむし歯を予防できても、正しく歯みがきする力がなければ、歯槽膿漏で歯を失うことになります。むし歯を作らないバランスの良い食生活を送る力がなければ、全身の健康が損なわれます。フッ素だけでは、問題は解決しないのです。
今、アメリカやカナダで、フッ素の神経毒性を指摘する声があがっています。様々なデータが発表され、中には「JAMA」のような権威のある医学雑誌に掲載されたものもあります(詳しくはカテゴリー「子どもの歯と健康を考える会」の「フッ素の神経毒性」参照)。
フッ素の多量摂取がIQ低下や発達障害の発生に関係しているという結論が確定してしまう前に、せめて学校での集団フッ素洗口からだけでも子どもたちを守りたい!!そう強く思わせる事故でした。

情報の信頼性

2021.10.10

ほけんだよりに、小学校低学年「どれがむし歯なの?」小学校中学年「目の中には何がある?」小学校高学年「目玉おやじが生きている理由」中学校「これ、何に使ったの?」
新型コロナ情報「ティーンエイジャーに対するワクチン接種:説明と同意のプロセスが重要」をUPしました。

ようやく新型コロナウイルス感染症が落ち着きを見せています。
病気やワクチンに関して様々な情報が飛び交っています。「ワクチンにマイクロチップ」といった話は別にしても、書店にはコロナに関する本がたくさん並び、言っていることが全く違う、ということもしばしば。どれが正しいのかわからない、という状況です。
子どもたちに間違った情報を伝えるわけにもいかないし、かといって何を基準にしたらいいのかわからない、一体どうしたら・・・?という思いで、改めて情報の信頼性について科学の世界ではどうなっているかを調べてみました。

上の図は、ニューヨーク州立病院が作成した図を写したものです。
科学情報で最も信頼性が高いのは「メタアナリシス(システマティック・レビュー)」と言われるものです。複数の研究論文のデータを統計的手法で解析した結果出されるもので、「フッ素入り歯磨剤を使っていると、フッ素洗口の効果の上乗せはない」とするコクランのものがこれに該当します。
「ランダム化比較実験」というのは、2つ以上のグループにランダムに分けて検証する臨床試験。
「コホート研究」や「ケースコントロール」は、例えばたばこを吸っている人を何年か追跡し、どのくらい肺がんを発症するか調べたり、逆に肺がんの人を何人か調べて、過去にたばこを吸っていた人がどのくらいいるかを調べたりする方法です。前者がコホート研究、後者がケースコントロールです。
意外にも「専門家の意見」は、動物実験の一つ上です。もちろん、専門家の意見の中には、メタアナリシスやランダム化比較実験、コホート研究、ケースコントロールといった研究によって導かれたエビデンスを持って、提唱されているものが多いと思います。対立する意見があった時、信頼性を判断するのに大切なのは、そういった点なのかもしれません。
コロナウイルス感染症は、人間がその存在を認識してからまだ2年程度。詳しい研究もエビデンスも多くはないのです。
今月初めに「インターパーク倉持呼吸器内科クリニック」の倉持仁さんがツイッターで、「次の波が来る前に、早期に治療に介入すれば重症化を防ぎ、死亡率を下げられる、というエビデンスを作らなければなりません」とつぶやいていました。「早く治療すればひどくならない」という症例や1人の医師としての意見はお持ちなのでしょうけれど、それを「根拠」や「証拠」のある、科学的に信頼性のある「エビデンス」にすることが重要だ、ということなのでしょう。
なるほど。データや本を見る目が、今までとはちょっと変わりました。