「うがい」再考

2020年5月18日

皆さま、いかがお過ごしですか?
まだまだコロナは油断ができませんが、緊急事態宣言が解除された所もあり、少しは、苦しい思いをする患者さんや亡くなる方が少なくなるだろうと思うと、ちょっとほっとします。
この間ミルミルの周囲では、ちょっとした事件があり、改めて考えさせられることがありました。
それは「うがい」についてです。
前回の新着情報で、フッ素洗口でコロナウイルス感染を広げる可能性がある、というお話をしました。その時「だったら普通のうがいはどうなの?」と思われた方もいたのではないでしょうか。

すでにご存じの方はたくさんいるかとは思いますが、確認です。
例えばインフルエンザの予防行為としての「うがい」は、数年前から厚生労働省のポスター等からは削除されいています。それまでは「うがい 手洗い マスク」と書いてあったのに、今は「手洗い マスク」です。
そう、厚生労働省はインフルエンザの予防行為として、すでに「うがい」は勧めていないのです。
その理由は「科学的に証明されていない」からです。
そもそも「うがい」は日本独特の予防行為で、「鵜飼(うかい)」が語源だと言われています。
一部「一般的な風邪」については予防効果がある、とする論文もありますが、確立したエビデンス(証拠)はありません。
だから、コロナウイルス感染予防としての「うがい」も、その効果は証明されていないし、国も世界も勧めていません。

コロナウイルスの場合、もう一つ問題があります。
それはフッ素洗口の時に説明したように、集団の中に不顕性感染の子がいた場合、「うがい後の水」を吐き出すことで、水屋にコロナウイルスを含んだ水をまき散らしてしまうことです。周囲1~2メートル、場合によってはそれ以上の範囲にウイルスが飛び散ることも考えられるとのことです。これは、インフルエンザウイルスの時も同様です。
最近は、だ液の中にたくさんのコロナウイルスが含まれていることで、PCR検査ができそうだ、という話さえ出てきています。そんな量のウイルスを、学校の水屋に吐き出したら、と想像してみてください。

つまり、インフルエンザやコロナのような、飛沫感染やエアロゾル感染が指摘される疾病では、集団での「うがい」はむしろ感染を広げる可能性がある、ということになります。

う~ん、ミルミルもインフルエンザが流行したときに、「うがい」させたなあ。
もしかするとそれで感染が広がったかも、と考えると「・・・・ごめんなさい!!」です。
せめて科学的な事実がはっきりした今は、コロナで同じことが繰り返されないように、と願うばかりです。

北海道のお医者さんが作ってくれた資料です。よかったら参考にしてください。
子どもの感染  うがい液中のコロナ

       stay homeの中、こんな可憐な花に癒やされます。