3人の友達(性の学習 小学校4年生)
この学習では、本を使います。
いつもいつも自作で教材を準備するのは大変です。でも世間にはいい本、子どもたちに読ませたい本がたくさんありますので、それを使ってショートの性の学習をしてみましょう。
今回使うのは「ジェンダーフリーの絵本② 生きるってすてき」橋本紀子文 高橋由為子絵 大月書店
この本には「みさき町」に住んでいる人々が出てきますが、その中でも前半に登場する3人の小学校4年生に関する部分を読みながら、子どもたちにも発言してもらいます。
ただし、内容が家族や家事に関することですから、家庭の状況で配慮が必要な子どもがいたら、そういった子どもが悲観的にならないよう十分気をつけてください。
でも、逆にそういう環境の子どもたちほど、家族についての学びが必要なのではないのでしょうか。
友達と一緒に学ぶ経験は、重要な意味を持つと思います。
さて、この学習のポイントは3つです。
一つは家事分担についてです。
登場人物の一人「たかし」の家の家事分担が本には紹介されていますから、その部分を読んだら「皆さんのおうちはどんな分担になっていますか」と問いかけて、何人かに発言してもらいましょう。
2つめは「はつき」の家族構成です。家族には様々な形態があり、どれも家族であることを伝えましょう。ここでも「みんなの家族は誰?」と問いかけてください。
3つめは「りょう」の家庭の様子と子育てについてです。
「りょう」の家庭の様子はP12~P15までは家事分担について書かれていますので、P15まで読んだらポイントを伝えてください。
そのポイントはP15の4行目に書いてある「二人(夫婦)で話し合って週二日だけお父さんの当番の日を決めた」という部分です。
そうなんです。大切なのは家族でしっかり話し合って、助け合っていくことです。
「りょう」のおうちではそれができているんだね、と話しましょう。
さらにP16~P21は、「りょう」の家族にあかちゃんがやってきて、お父さんが育児休暇をとり、公園デビューする様子が書かれています。
一気に読んでいき、読み終わってから感想を聞いてみましょう。
さて、小学校4年生は、どんな感想を持つのでしょうか。
ちなみにミルミルは保健室で数人の子どもたちと一緒にこの本を読んだ経験がありますが、多分家では口にしないような子どもたちの本音が聞けて面白かったですよ。
最後に、「いろんな家族やいろんな生き方があるよね。でもどれが正しくてどれが間違っているなんてないんだよ。それぞれみんな違っているのが当たり前だからね」と話をしてください。