なんだか気持ち悪い

2025年9月10日
カテゴリ:その他

「ミルミル先生、Aさん、気持ち悪いって」と友達に連れてこられたAさん。ぐったりした様子で、顔色もよくありません。
吐き気を訴える子どもたちの中には、保健室に入ってくるなり嘔吐してしまったり、感染症に罹患しているためにウイルスが吐瀉物に含まれていたりする場合もあります。
なので、対応は慎重にしなければなりません。

保健室内での休養の姿勢も大切です。
仰向けに寝いていた場合、吐瀉物が喉に詰まることもあるからです。
過去にはベッドに横になっていた小学生が嘔吐し、その僅かな時間を養護教員が保健室を離れていたため、吐瀉物を喉に詰まらせて亡くなってしまった、という事例も起きています。
なので、ミルミル小中学校保健室では、どのような姿勢で休むかは、本人にとって一番楽な方法を選んでもらうことにしています。
いすに深く腰掛けたり、ソファーに横になったり、自由な格好でいいよ、です。
もちろん、ベッドに横になりたい、という希望の場合は、目を離すことはできませんので、要注意ですね。

さらに、吐き気というのは、結構な強度で子どもたちを不安にします。
頭痛や腹痛も辛いものですが、吐き気を訴える子どもの多くが、「この先どうなるんだろう」的な不安を抱えていることが多いように感じています。

そのため、まずは楽な姿勢で休んでもらい、いつ嘔吐してもいいように準備万端整えてから、できるだけその不安を取り除いてあげたいものです。
前日からの生活や、吐き気がいつからおきたのか、朝食の内容や家族に同様の症状の人がいないか、排便の有無や過去の病歴などを簡単に情報収集したあとは、自然治癒を待つしか無いため、本人が安心できるように配慮しながら対応します。
ただし、吐き気が強い場合は返事をするのも苦しいですから、こういうときはミルミルの一方的なおしゃべりでも大丈夫です。

T:特にはっきりした原因は無さそうだね。でも気持ち悪いって辛いよね。からだの中でなにかがもごもごと動いているみたいでしょ。多分、胃がもごもご動いているんだよ。胃には食べたものが入っていくでしょ?でも時々ご飯やおやつを食べたつもりなのに、それ以外のものが食べものに混じっているときもあるんだよ。それから空気の中や何かにくっついていたウイルスが、手や呼吸を通してからだに入っていくときがある。そんなとき、Aさんのからだはどうすると思う?Aさんのからだはね「Aさんの命を守らなくちゃ!」って考えるんです。Aさんの命を守る方法その1。胃の中に入ってきた余分なものを、からだの外に出そうとする。からだの外に出してしまったら、問題ないよね。だから吐いてからだの外に出そうとする。それで吐き気がするんだよ。Aさんの命を守る方法その2。からだの中に入ってしまったウイルスや病気の元が、胃の働きを弱くしてしまうときがある。そんな時は、「胃の働きが弱ってしまった!」というサインで吐き気がしたり、吐いたりするんだよ。そんな時は、無理してたくさん食べちゃダメだからね。消化のいいものを、少しずつ食べられるだけ食べて、胃の働きを元に戻してあげよう。
つまり、吐き気はからだがAさんの命を守るために出しているサイン。今、Aさんのからだの中では、「Aさんの命を守るぞ」防衛隊が一生懸命働いているんだよ。頑張れ!Aさんの防衛隊!!

この対応は小学生向きです。
中学生にはもう少し複雑な背景も考える必要があると思います。
つまり、ストレスが原因の吐き気の可能性も考慮しなければならない、ということです。

また、小学生に「おなかが気持ち悪い」と訴えられたことがあり、「はて?」と首をかしげたことがあります。でもよく聞いたら、便秘による腹部の膨満感、おなかがゴロゴロしているような状況を、このような表現で表したのだということがわかりました。

正確に聞き取るって難しいですよね。