健康診断結果は誰のもの
2023年6月4日
このほけんだよりは、養護教員が直接子どもたちに話しかける形でつくりました。
インターネットの普及やビッグデータなどの影響で、私たちが個人情報を誰か、あるいはどこかに教える機会が増えたような気がします。
性の学習では命をつくり育てる器官を「プライベート・ゾーン」あるいはそこに口やおしりを付け加えて「プライベート・パーツ」として教えることがありますが、もともとからだ自体が、その人の「プライバシー」なのです。
「プライベート・ゾーン」を性の学習で取り扱うときに「からだ全体がプライバシー」と一緒に教えてしまうと、子どもたちは混乱してしまうため避けていたのですが、どこかでちゃんと教えなければ、と思っていました。
中学生なら、ちょっと複雑な「個人情報」と「プライバシー」を含めて、理解してくれるのではないでしょうか。
「個人情報」も「プライバシー」も、法律上の定義などがあり、詳しく見ていくと複雑になってしまいますので、ここではあくまで健康診断結果、つまりからだの情報を中心に取り扱いました。
自分のからだの情報だけでなく、友達のからだの情報もどう取り扱えばいいのかも、一緒に考える内容も加えてみました。
取り過ぎて困るもの
2023年4月14日
中学校1年生になると「技術・家庭科」で「栄養バランスのよい食事」を学習し、栄養素についても学びますので、栄養素についての基礎知識を得ることができます。
一方、子どもたちの周囲には、様々なサプリメントや栄養補助食品とされるものがあふれていて、実際にそれらを服用しているケースも見られます。
「身長を伸ばしたいからプロテイン飲料を飲んでいる」などという話は、保健室ではあるあるなのです。
もちろん栄養は成長期の子どもたちにとっては、とても大切なものです。
しかし、「栄養が不足する」場合の問題は知っていても、「取り過ぎる」場合の問題については、よくわかっていない子どもも多いのです。
今回は、敢えて「取り過ぎて困るもの」を取り上げてみました。
サプリメントの多くは、科学的に有効性が証明されていないものがほとんど、という指摘もあります。
食事を作るのは、多くの場合保護者などになるのでしょうけれど、中学生なら自分で作ることも、自分で栄養バランスを考えることも大切である、ということもわかっていてほしいですね。
実際の指導の導入は何でも良いのですが、ちょうどいい具合にWBCでの大谷選手の活躍に注目が集っていたのでそれを使いました。でも他に担任のチョイスに任せても構いません。
大谷選手はインタビューで「1日60gのたんぱく質を取るようにしている」と答えていましたが、1日のたんぱく質摂取量のメタ・アナリシスは「体重1kgあたり0.65g」です。大谷選手は体重が97kgですから、97×0.65=63g。なるほど、理想的な摂取量だと言えますね。
今回の内容の参考にしたのは厚生労働省が作成した「日本人の食事摂取量 2020年度版」です。
筋肉は傷ついて強くなる
2018年9月20日
カテゴリ:中学校
中学生にとっては身近な経験「筋肉痛」。多くの中学生は、「筋肉を使いすぎたので痛い」と考えているようです。そのしくみを理解してもらうために、これも多くの中学生が経験している切り傷や擦り傷の治り方を参考に考えられるようにしてみました。できるだけ短時間で考えられるよう、筋肉のしくみは、教材で表現しました。さらに最後は、自分の生活を振り返ることができるようにしてあります。
一番最初にこのほけんだよりを作ったときは「筋肉は切れて強くなる」というタイトルをつけていましたが、切れるだけでなく単に傷つく場合もあるので、タイトルを変更しました。
ただし、筋肉が太くなるしくみは、まだ十分解明されていないそうです。今後、研究が進み、新たなしくみが解明されたときは、また新しいほけんだよりを作らなくては・・・。
教材の作り方
左から教材①糸(1本)、②数本束になった糸、③発砲の丸い棒・・・これは今まで「小丸太くん」という名称で、小学校図工の教材として販売されていました。今は、残念ながら無いようです。ネット等で「丸棒発砲」等の名称で販売されているものとほぼ同じですので、探してみてください。直径は7~8ミリのものを使っています。
教材④何本かの発砲の丸い棒を紙で包みます。紙は何でも構いません。
教材⑤ 教材④と同じ太さの紙だけをいくつか作り、それをさらに大きな紙で包みます。
これで1本の筋肉です。
横から見るとこんな感じです。
ホルモンは情報を伝える物質です
2018年7月5日
カテゴリ:中学校
このほけんだよりは、性の学習の補充用としてつくったものです。性の学習は1時間単位の授業で実施することがほとんどですが、だからといってほけんだよりでとりあげる必要がないわけではありません。内容や教材によってはほけんだよりを有効に使いましょう。ちなみにポケット小中学校には、秋田弁を上手に使う先生がいたので、秋田弁を使いましたが、皆さんのお近くの言葉を使って見てください。
朝はのっぽ
2018年7月5日
カテゴリ:中学校
20年ほど前に、1冊の本を見つけました。東郷正美著「身体計測による発育学」という本です。これは、筆者がご自分のお子さんたちの身長と体重を、長年にわたって測定したデータをまとめたものです。
とてもおもしろく、この本を参考にしていろいろな学校で子どもたちと身長測定の実験を繰り返してきました。人間のからだは、重力にいちいち反応するほど、見事にできているんですよ。すごいですよね。