中学校 恋愛と人間としての能力(1)
この時間は、次の「恋愛と自立」に繋がる内容になっていますので、2時間をセットにして実施してください。この2時間は、恋愛について中学生に考えてもらい、自分の生き方を選ぶ材料になるかどうかいを判断してもらう時間です。「これが正しい」と押しつける時間ではありません。ですから、授業の中で子どもたちが判断したことを否定せず、受け止めてください。資料に使う松田さんの文章も「こういう意見があるよ」という言い方で紹介しています。
授業はまず「『あなたが好きです。付き合ってください』って言われたら、付き合うかどうかどうやって決める?」という、中学生にとっては、わくわくするような課題が設定され、あれやこれや言いながら、みんなで相手や自分の何を基準にするかたくさん並べていきます。
「何かを決めるときは、基準がある」ということは、導入で気づかせます。教材にするのはりんごやみかんでなくてもいいので、もっといいものがあれば、それを使いってください。
でも、この答えはこの時間には出ることはありません。
答えがはっきりするのは、次の時間です。
教材にする「恋愛なんかやめておけ」という本は、ちくま少年図書館の中の1冊で、中高生用に書かれているため、文章も難しくなく、読みやすい一方で、思春期の子どもたちに生き方を考えさせる内容になっています。
著者は松田道男さん。松田道男さんは1908年に生まれ、小児科医や結核の研究者として活動する一方で、平和教育にも携わり、たくさんの著書を残されています。
この「恋愛なんかやめておけ」は、1970年に書かれた本ですが、人生の中で、恋愛がどのような位置を占めるものなのか、を明確にしてくれています。少し古い本ですが、長年小中学生に恋愛について考える際の教材にしてきました。今は朝日文庫から販売されていますから、その中の「恋愛列車」の部分とその前後を取り出して使います
「すぐ止まる列車」「長く走る列車」どちらを選ぶかは、子どもたち一人一人が決めることです。でも、まだまだ中学生。これからの経験や学びを通して、考え方は変化していきます。その入り口として、この授業を設定してみました。
教材の作り方
恋愛列車