「目玉おやじ」が生きている理由
「ゲゲゲの鬼太郎」は、1933年「ハカバキタロー」という紙芝居からスタートしました。もともとは「子育て幽霊」の民話を元に作られたお話だったということです。
「子育て幽霊」は、死んでから生まれたわが子のために、毎晩母親の幽霊が墓から抜け出して飴を買いに来る、というお話で、京都の六波羅蜜寺の近くに「みなとや幽霊子育飴本舗」というお店があり、ここに幽霊が飴を買いに来た、という伝説が残っています。鼈甲色をした、素朴な飴が今でも売られています。おいしかったですよ。
目玉おやじはすでに紙芝居時代の鬼太郎に出てきていて、その後紙芝居から貸本、そして漫画本、アニメと、鬼太郎の活躍の場は広がっていきます。
水木しげるさんが、「目は飛び出した脳」と言われるほど、精密な器官であることを意識したかどうかはわかりませんが、今から考えると、非常に理にかなった設定だったことがわかります。
目玉おやじは身長9.9cm、体重33.25gの手のひらサイズ。幽霊族の生き残りだった父親が、母親の胎内にいる鬼太郎を気遣って自分の死体の目に魂がとりつき、鬼太郎を助ける役割を果たします。さらに、世界中の妖怪の種類と性格を知っている、という点でもまるで脳の役割そのものです。
そもそも私たちは目でものをみていますが、それを判断しているのは脳です。見ているものの形、色、距離、立体感などを脳が判断し、「あそこに猫がいる」といった判断をしているのです。一方で、だからこそ見間違いや錯覚がおきるわけです。
目が私たちにとって重要な役割を果たしていることを伝えると同時に、目の不自由な人たちがどのようにして情報を受け取っているのかを、「点字ブロック」を例に伝えましょう。様々な特徴を持った人たちが、きちんと情報を受け取れるように、社会の中で気をつけるべき事も一緒に伝えてください。
教材の作り方
教材① 写真はミルミル手持ちの人形です。インターネットには写真もあります。