フッ素の神経毒性

2021年12月4日
カテゴリ:その他

11月23日「日本フッ素研究会・全国集会」が、リモートで開催されました。
午前中の講演は「フッ素の神経毒性」というテーマで、環境科学・毒性学を研究されているポール・コネット氏の報告でした。コネット氏の話は、2013年のフッ素研究会でもお聞きした記憶がありますが、専門家の難しい内容に加え英語での講演について行けなかった記憶があります。今回は日本フッ素研究会の専門家の皆さんが、事前に日本語に翻訳したPP付きだったので、前回よりずっとわかりやすく、集中して聞くことが出来ました。
コネット氏はアメリカからリモートで参加。多分ご自宅の椅子に座って、講演が終了するまで(お話しそのものは録画されたものが流されたので)ずっと参加されていましたが、アメリカは夜中なはず。遅くまでつき合っていただき、ありがとうございました。

今回の講演の内容をここで全て伝えるのは、わたしの力では到底無理なのですが、不十分ながらも新たに気付いたことをまとめておきたいと思います。

1,世界で神経毒性に関する研究が増えている
これまでのフッ素研究会でも、飲料水に人工的であれ自然であれフッ素が含まれている地域の、主に子どもたちのIQについて、インドや中国の研究者の方から話を聞く機会がありました。
IQを使ってフッ素が脳に影響を与えることを結論づけるのは、かなり難しい作業であることは、素人の私にもわかりますので、インドや中国の研究者の方の話を聞いた際は、もっとたくさんの研究結果を聞いてみたい、と思いました。
しかし、今回のコネット氏の話では、フッ素とIQの関連について近年はたくさんの研究が行われていることがわかり、さらにその成果の一部も説明があり、「なるほど」と思いながら聞きました。
また、IQだけでなく発達障害の発現率についての研究もあり、フッ素の影響がどこまで広がっていくのか、とても心配になってしまいました。
もしフッ素に神経毒性があるのだとしたら、1日でも早くそこから開放されるためにも、多くの研究が行われ、発表されるといいのですが・・・。

2,「JAMA」にフッ素の神経毒性についての論文掲載
「JAMA(ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・メディカル・アソシエーション)」は、アメリカの医師会が発行する医学雑誌です。きちんと査読された論文が載っていて、「世界四大医学雑誌」などと呼ばれ広く読まれています。2019年にこの本にカナダのヨーク大学Rivka Green氏らの論文が掲載されました。
これは、カナダのフッ素化された地域の妊娠中の母親の尿中フッ素濃度と、メキシコの母親の尿中フッ素量がほぼ同じだった、という調査です。メキシコでは、母親の尿中フッ素量と、生まれた子どものIQについてすでにコホート研究が行われていましたが、それによると妊娠中に尿中フッ素濃度の高かった母親の子どもにIQの低下がみられたとのことなのです。メキシコの調査と同様にカナダの母親達がフッ素に汚染されているなら、子どもたちのIQにも何らかの影響が出る可能性は否定できません。このカナダの論文が「JAMA」に掲載された、ということが非常に重要なことです。これまではフッ素反対派を一方的に非難してきたアメリカの医学界に、少しでもいいので変化が起きる最初の1歩になることを願い、今後の反応を待ちたいと思います。
なお、この論文の話題は、日経メディカル2019年9月6日版に取り上げられています。

3,5%のIQ低下の意味
下のグラフは、いわゆる「正規分布」と言われるものです。平均値をIQ100とすると、ちょうどこんな分布になるはずなのですが、もし平均値が5低くなって95になったとしたら、このグラフは、左側に5の分ずれることになります。すると、どうなるのでしょうか。IQが高いグラフの右端にいる人は、半分程度に減少してしまいます。逆にグラフの左端にいるIQが低い人は、増加することになるでしょう。もちろん、集団によって違いはあるでしょうけれど、個人の視点ではなく、集団としての視点からみると、平均値が5ずれるということは、こんな現象をも指し示していることになります。これが、フッ素の多量摂取によりおこる可能性があるというのです。
子どもたちの能力は、IQだけが指針ではありません。それだけでは測りきれない力もたくさんあります。しかし、IQもその指針の一つであることに変わりはなく、さらに発達障害で生きにくさを抱えて苦しんでいる子どもたちのことを考えると、言いようのない怒りがこみ上げてきます。
フッ素が少しでも子どもの脳や神経に影響を与える可能性があるのなら、そしてそれを排除することが可能なら、こどものために排除するべきだ、とどうして考えられないのか、疑問だけが大きくなります。

4,「世界中がフッ素化している」は本当か?
フッ素洗口やフロリデーション推進派の方がよく言う「世界中でフッ素が使われている」
フッ素先進国のアメリカで、水道水がフッ素化されているのは、全体の60%だそうです。しかも最近はフッ素化を中止している州もあります。
また、ヨーロッパでは、フロリデーションしているのはたったの3%。
なんと・・・どこが「世界中」なのでしょうか。きちんと正確に言わないと事実は伝わらず、間違った知識やイメージが広がるばかりです。

5,「お茶1~2杯飲むのと同じ」
これは、コネット氏の話ではなく、行田市のお話です。
行政との話合いの中で、推進派の歯科医師が「フッ素洗口はお茶1~2杯飲むのと同じ」と答えた、との報告がありました。
だったら、フッ素洗口でなく「お茶1~2杯」飲ませれば済むじゃないか・・・・!。

お茶の中のフッ化物はフッ化カルシウムで、フッ素洗口に使用するフッ化ナトリウムとは違う化学物質です。推進派の歯医者さんは、よくこの言い方をします。歯科医師会のパンフレットにも同様のことが書かれているので、それをそのまま話しているのでしょう。
フッ素洗口で問題にしているのはフッ化ナトリウムなのに、同じ「フッ化」がついているから、それで煙に巻いてしまおうということなのかもしれません。
正直に、正確に、科学的に言わないと、信用してもらえませんよね。新型コロナも同じ。