鼻血が止まらない!
ずうっと以前は、鼻血は上を向いて血液が口に流れても構わず、首の後ろを手刀で叩き、小鼻のずうっと上の部分をつまんで止血する・・・という知識が正しいと考えられていました。
もちろん、今は違いますよね。
でも、まだまだ正しい手当の方法は定着していない場合もあります。
なので、正しい手当を、楽しく伝える工夫をしてみました。
また、鼻血の手当は、キーゼルバッハ点を押さえて、5分や10分、じっとしていなければなりません。最近はこの「じっとしている」のが苦手な子どもたちが増えていますので、途中でじゃんけんをしてみました。
じゃんけんなら、片手で十分可能ですし、特に話をしたり、大きくからだを動かしたりする必要もありません。
ミルミル小学校では、特に低学年の子どもたちと、よく行いました。
T:あらあら、上を向いているのね。口の中に血が流れて行ってるでしょ。
S:(うなずく)
T:はい、ここに座って、(膿盆や小さな洗面器などを渡して)これ持って、鼻の下に持ってきててね。私が鼻をつまむから、その後は下を向いていいよ。(キーゼルバッハ点をつまむ)、はい、下を向いて、鼻の下にさっきのお盆が来るように持っていてね。口の中の血、気持ち悪くない?
S:気持ち悪い。
T:そうか、じゃあ、このまま鼻押さえているから、水屋まで行って、口の中を軽くすすごうね。
(水屋で簡単に口をすすぐ。その後、また椅子に座る)
T:すっきりしたね。鼻血が口の中に入ると気持ち悪いでしょ?上を向いてしまうと、口の中に血が入ってしまうから、「鼻血が出た!」と思ったら、今のように鼻をきっちりつまんで、下を向いていいんだよ。そうすれば口に血が流れないよね。
S:(うなずく)
T:さて、ここからまず5分頑張ろうか。鼻をつまむのが痛かったら教えてね。では、よーい、どん!
T:1分過ぎたよ。では、先生とじゃんけんしよう。(じゃんけんする)
S:勝った!
T:負けた~、残念。じゃあ、いいこと教えてあげるね。Sさんは、鼻血がでたとき首の後ろを叩くといいよ、って聞いたことないかな。
S:ある
T:ブブー!これは、間違いです。首の後ろを叩いても、効果はありませんでした!なんで、こんな方法が「いい」ってなったかはよくわからないんだけど、間違いだから、やってはいけないよ。
T:はい、2分すぎました。じゃんけんの時間です。(じゃんけんする)
T:あ~また負けた。ではまた、いいこと教えるね。鼻血は鼻のどこから出てくるかというと・・・?今、先生が押さえているところの内側からでていることがほとんどだよ。血が出たら、その上を押さえる、というのは切り傷や擦り傷の時も同じだから覚えておいてね。
この後も1分おきにじゃんけんをします。こんなふうに過ごすと、鼻血が止まる頃には、どの子もニコニコして保健室を後にすることができます。
何度も負けたときは、何か楽しいお話をしてください。
「落ち」のある話でもいいし、怖い話でもいいし、短い雑談で楽しく時間を過ごしてみましょう。
じゃんけんの楽しさと一緒に、鼻血の手当も記憶に残ってくれるといいなぁ。