おなかが痛い!うんこか?
内科的な訴えでとても多いのが、「排便しないことによる腹痛」です。ミルミル小中学校でも、腹痛を訴える小中学生の多くが、排便が原因になっているようです。
もちろん、他の原因による腹痛もありますが、1日以上排便がない子どもたちは、ふんばるだけで腹痛が治まることがあります。
これは、ふんばることでおなかの筋肉が刺激され、それに伴って腸の働きが活発になり、一時的に便が押し出されて移動するために腹痛が改善されるため、なのだそうです。
便がうまく出てくれればすっかり痛みはなくなるのでしょうけれど、例え出なくてもおおよその場合は痛みが改善するようです。
また、仰向けにベッドに寝た状態で、おなかの左下を触ると、堅くなった便に触れる場合もあります。こんな場合は、明らかに便が原因です。
とは言え、十分な問診は必要です。
それが終了し、「この腹痛の原因はうんこか?」と思ったので、こんな展開にしてみました。
因みに、うんこの動きを、わかりやすいようにマヨネーズに例えていますが、「マヨネーズ食べられなくなる」心配もなくはない((@@;)ので、みなさん何か適当なものを当てはめてみてください。
T:なるほど、原因はうんこが溜まっていることかもしれないね。じゃあ、まずトイレに行って、うんこが出ても出なくてもいいから、5分間ふんばってみようよ。
S:ええっ、おなか痛いから無理です。
T:そうだよね、痛いときは力はいりにくいものね。わかるけれど、その痛みがふんばって軽くなるんなら、やってみようよ。うまくいくとうんこが出るし、痛みも軽くなるかもよ。
S:そうなんですか。(しぶしぶ)トイレに行ってみます。
T:おうちでいつもうんこするときのような踏ん張りでいいからね。1回か2回で諦めないで、休みながらでいいから5分頑張ろう。
S:はーい。
(場合によってはトイレに一緒に行き、トイレの近くで待っていることもあります。)
S:(トイレに行って数分後)先生、うんこでなかった。
T:そうか。で、おなかの痛みはどう?
S:なんか、痛くなくなった。
T:よかった、よかった。これでホッとしたね。
S:うん。よかった。ふんばるだけで痛くなくなるんだ。
T:どうしてか、わかる?
S:わかりません。
T:Sさん、ふんばったとき、おなかに力はいったでしょ?
S:うん、痛かったからちょっと辛かった。
T:そうだね、でもよく頑張ったよ。力の入ったそのおなかの下に、うんこが入った大腸があるんだよ。ほら、こんなの(大腸の模型は、小学校中学年用からだのおしゃべり「おなかが痛いのはなぜ」で紹介)この中にうんこが溜まっていると、おなかが痛くなるときがあるんだよ。
S:そんなに長いんですか。
T:Sさんが保健室に来たときは、うんこはここ(大腸のどこでもいいが、便はほとんど下行結腸部分にある)のあたりにあったの。それがふんばると(大腸の模型の中の綿絞るように絞るようにする)、こんなふうに前に押し出される。あのね、マヨネーズの入れ物あるよね。あれをぎゅーっと絞って、マヨネーズを押し出すみたいなことになるんだよ。ふんばると筋肉がぎゅうって動くから、うんこを押し出してくれるんです。
S:ふんばるだけで動くんだ。そうか、だからうんこするときもふんばって、前にうんこを進めるんだ。
T:そう。それで別の場所に移動したので、痛みがなくなった。でもそこにも何時間も何日もうんこしないでためておくと、また痛くなることもあるから、早めに出した方がいいからね。今日はうんこしてないんでしょ?
S:はい。でも、今日家に帰ったらトイレに行きます。またおなか痛くなるの嫌だから。