大徳寺興臨院、皐廬庵茶舗、鷹峯常照寺
１０月から１１月の大徳寺は、特別拝観が行われていて、普段は見られない塔頭に入ることができます。特にミルミルのお気に入りは「黄梅院」。茶道の祖千利休が造った庭があり、アプローチからすでに、ため息が出そうな落ち着いた雰囲気を漂わせています。ここで“まったり”するのは、本当に命の洗濯なのですが・・・。
残念ながら今回は、大徳寺に行く予定をしていたその日だけ！黄梅院は拝観中止！
なんということでしょう。
仕方ない、この次にすっか・・・。
と思っていたのですが、大徳寺に行って、拝観中止の理由がわかりました。
ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんね。ミルミルは勉強不足で知りませんでした。
毎月２８日は、千利休の月命日で、たくさんの塔頭で「お茶会」が行われるのだそうです。
この日の大徳寺には、着物姿の麗しい方がたっくさん！境内はごった返しています。
黄梅院は千利休の塔頭です。「拝観中止はこのせいだったのか・・・」とようやく気づきましたが、後悔先立たず。
ま、いっか、と居直って、見られるところだけ見てきましたよ。
興臨院
興臨院も特別拝観の塔頭です。ボランティアのおじさんが、親切に説明して下さいました。
上の写真も、そのおじさんが教えてくれたアングルでとったもの。おじさんのお気に入りの角度なのだそうです。なかなか、いい感じです。
ここでもお茶会は開かれていましたが、会場が離れていたため、それほど気にならずに見学ができました。庭は蓬莱の世界をあらわしているとのことでしたが、すこしだけ紅葉した木もあり、白砂とのコントラストもきれいです。
この日はとても天気がよく、陽の光をたっぷり浴びながら、のんびりしてきました。
皐廬庵茶舗（こうろあんちゃほ）
ここは、お寺ではありません。大徳寺の境内をうろうろしている内にそのすてきな外観にひかれ、飛び
込んでしまったお店です。お店の名前が読めなくて、でも「茶舗」とあるし、「抹茶アイス」とあるので、休憩できるんだ、と思って入ってみました。
なんと、一人だけで入ったにもかかわらず、お茶室に通され、炭から火をおこして、抹茶と煎茶をだしてくれます。炭からって、すごい！
大徳寺ではなかなかゆっくりできなかった分も含め、すごく“まったり”してしまいました。
特に絶品だったのが「抹茶アイス」。お抹茶の味がしっかり残っていて、でもクリーミーな甘さも
十分あって、また食べたい味です。アイスの下に置かれたレースのコースターが、手に持ったときの
アイスの冷たさを和らげてくれます。もしかしてそれを計算してレース？
それから、大徳寺納豆。今までもお土産に買っていったことはあるものの、お茶と一緒に食べたことはなかったのですが、これがまた、合う！！！甘い和菓子にも、お茶にも、最高でした。ちょっと疲れていたせいもあるかもしれませんが・・・、塩分って、大事なんですね。
もちろん、帰り際に「口切抹茶」を買ってきました。帰宅してからのお楽しみです。
鷹峯常照寺
タクシーに乗って、「鷹峯の常照寺までお願いします。」と言ったら、
「それ、どこにあるんですか？」との返事。
「鷹峯の源光庵の隣です。」
「そうなんですか、そういうお寺があるんですね。知りませんでした。」
この会話、私がタクシーに乗ったとき、時々交わされるんです。きっと、かなりマニアックなお寺
を回ってるんでしょうね。ハハハ・・・。
さて、常照寺はどんな寺かというと、江戸時代の名妓として有名な吉野太夫ゆかりの寺です。
もう、門に続く道から素敵です。
ここも紅葉の名所だとか・・・。ちょっと早かったな。でも、緑は緑できれいなもみじのトンネル
になっていました。
入り口には、吉野太夫と添い遂げるために、地位も財産もなげうった灰屋紹益の句碑もあります。
毎年４月には吉野太夫の供養祭が行われるとのことで、本堂にはその時に使う花の飾りが２つぶら下げてあります。本堂では、お寺の説明のビデオを見せていただきました。
庭は、歩いて回るといろいろな建物と、建物跡と思われるようなものがたくさんあります。きっと
昔はかなり大きな寺だったのでしょうね。
さらに庭の途中には、吉野窓と呼ばれる窓のついたお茶室が・・・
完璧なまん丸でないところが、人生の悲喜こもごもを現しているのだとか。
江戸時代の遊女は、今私たちが持っているイメージとは、かなりかけ離れた生活をしていたようです。時代劇などの影響で、ただひたすら悲惨な人生・・・という感じがありますが、年季が明けたり、身請けされたりして、ちゃんと結婚できたようです。売春行為をしていた女性を、一方的に差別する感覚は当時はなかったようですね。江戸時代が終わるまでの日本の女性は、一部の階級を除いてかなり自由に性や愛を楽しんでいたようですよ。