副作用はあります!
皆さん、厚生労働省のホームページを覗いたこと、ありますか?
ミルミルは、「子宮頸がんワクチン」の接種が導入されたときに、その副作用を調べるためにはじめて厚生労働省のホームページを開きました。
そして、ここに私たち現場の養護教員が知らない、とんでもない情報がたくさんあることを知りました。以来、何かあるたび開いては、資料を取り出すことにしています。
フッ素洗口に関しても、最近このホームページに重要な資料をみつけました。フッ素洗口液の副作用報告です。間違いなく、フッ素洗口には副作用があります!!
2019年5月、厚生労働省で「令和元年度第3回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(医薬・生活衛生局 医薬安全対策課)」がありました。この席で、サンスター株式会社の「エフコート」、ライオン株式会社の「クリニカ フッ素メディカルコート」が第3類医薬品として販売されることが決まりました。2つとも、225mgフッ化ナトリウム含有のフッ素洗口液です。今は両製品共に薬局等で自由に購入でき、家庭でフッ素洗口を行うことができます。
この会議で、「エフコート」と「メディカルコート」の副作用調査結果が報告されています。
以前、「ミラノール」について書いたときにお伝えしましたが、「ミラノール」は副作用の発生頻度調査をしていませんし、詳細な副作用調査結果も公表していません。単に「過敏症状」と書いてあるだけです。
「エフコート」と「メディカルコート」は、それぞれ1207例、512例の特別調査(使用者を指定して副作用が起きたかどうかを調べる調査)と、一般調査(特に指定しない使用者が、異常を申し出た調査)を行っています。特別調査では、「メディカルコート」で4件の副作用報告があり、口腔内の刺激感2件、舌の感覚鈍化1件、下痢1件が報告されています。そして一般調査では「エフコート」では35例38件、「メディカルコート」では9例9件の副作用報告がなされています。
「エフコート」の副作用内容を列挙してみます。
口腔内の刺激感・・7件 口の渇き・・3件 歯の変色・・2件 味覚異常・・2件
その他(各1件) 口腔内痛 喘息憎悪 歯の異常感覚 下痢 発疹 吐き気
口腔湿疹 適応部位発赤 全身発疹 全身性搔痒 口腔びらん
歯牙破損 足のしびれ感 歯の不快感 口唇のしびれ感 白舌
歯肉痛 鼻出血 咽頭痛 便秘 口内のあれ 舌痛 舌変色
いかがです?もし、学校でフッ素洗口を行って、目の前の子どもたちにこんな症状が出たら、学校関係者は「これは副作用だ。大変!」と思いますよね。授業は中断され、保健室で応急手当が行われたり、家庭に連絡が行くかもしれません。校長先生が保健室に来て「どうしようか」と相談することになるかもしれません。これらはいずれも日常の生活とは違った動きです。少なくても学校では子どもに異常がおきたら、日常とは違った対応をする必要に迫られます。それが、学校です。
でも、この厚労省会議では「日常生活に支障が起きるような副作用が起きていない」という判断で、販売許可が下りています。会議は歯科医療関係者の参加は、ほんの僅か。ほとんどが分野の違う医療関係者でした。
おかしくありません?
喘息が悪化して、日常生活に支障が出ないわけがありません。全身に湿疹が出たり、かゆくなったりしたら、絶対日常生活に支障がでます。でないわけがない!
しかも「エフコート」と「メディカルコート」はフッ化ナトリウム濃度は225mg、週1回法のミラノールやオラブリスは、その4倍の濃度です。副作用が起きないわけがないんです。
この結果を生かしましょう。行政に突きつけましょう。少なくともきちんと「副作用がある」ことを保護者に伝えましょう。その上で、するかしないかを選んでもらいましょう。
とある自治体の説明会では「アレルギーパッチテストしたから安全」と説明したそうですが、それは全ての子ども?アレルギー反応は、一人一人違うよね。さらにアレルギーパッチでは、急性中毒は調査できませんよ・・・なんてこと、考えないまま自治体は導入を進めているのです。
さらに、市販薬があるのだから、学校で一斉にする必要はない!ことも主張しましょう。一人一人の体質等も違うのだから、あくまで保護者に選択してもらえばいいのです。
ちなみに、この議事録には「年10件程度の歯みがき剤による副作用が発生している」ことも書かれています。そうだったんだ。歯磨き剤も安心ではないということです。まだフッ素洗口導入の話がない学校は、ほけんだより等で保護者と情報を共有しましょう。正しい知識を多くの人と共有することが、一斉実施による副作用から子どもを守ることになります。
会議録と資料をご覧になりたい方は、赤文字の所をコピーして、厚生労働省のホームページで検索してみてください。