トイレ、着替え
避難所の生活で、3,11の時に大きな問題として取り上げられたのは、トイレ等でおきた「性被害」でした。
これは、なんとしても防がなくてはいけません。
すでに、新聞やテレビ、実際の石川県内の避難所では「子どもや女性は、できるだけ一人でトイレに行かないように」と呼びかけられているようですが、3,11の時は、そんな声はどこにもありませんでした。体育館や教室、公共施設などで、多くの被災者が様々なストレスを抱えたまま集団生活を送っている状況を考えれば、弱者がさらに被害のターゲットになりやすいことは想像に難くありません。
また、実際に被害を受けた人が避難所の責任者に訴えても、「そんなことくらいで・・・。」と相手にしてもらえなかった、というケースもあったのです。これって、セカンドレイプですよね。
避難所の責任者の多くは男性です。女性の声はなかなか届きにくく、さらに無視されがちな状況も生まれるかもしれません。月経用品が「優先順位の高い支援物資」として扱ってもらえないことを考えると、なるほどと思えますよね。3,11の時は月経用品はかなり時間が経ってから、被災地に届きました。
子どもたちは、こういった問題で困っていないでしょうか。月経用品は十分でしょうか。着替えはどうしているでしょうか。トイレに行くたびに誰かについてきてもらうのは、実際問題としてなかなか難しいのではないでしょうか。「トイレに行きたい」と、家族に気楽に言えない雰囲気になっていないでしょうか。今は女の子だけ警戒していればいい、という時代ではありません。男の子は、トイレで嫌な思いをしていないでしょうか。
避難所から登校している子どもたち、或いは避難所にいる子どもたちに、
「なんか、これ、嫌だなって思ったことなかった?」と、あまり構えずに聞いてみることはできるかもしれません。それも、例えば保健室で他の作業をしているときに何気なく。一緒に遊んでいるときにさりげなく・・・。
あまり真剣に聞いてしまうと、「トイレ怖い!」になってしまうことも考えられますから、そこは慎重に。
でも「話したら聞いてくれそう」とか「話してもいいんだ」と思ってもらうことは大切です。
子どもたちの話は受け入れながら、じっくり聞く・・・なんて、そんなことは言うまでもなく皆さん十分実行されていると思います。
避難所にいる子どもたち自身で、どんな防衛策ができるかを相談し合ってもらうことも、状況によっては可能かもしれませんね。自分で考えて行動する力も、こんな時は必要でしょう。
3,11の時は、地震の被害に加え、30Mを超える津波、そして原発事故と多くの問題がありました。
今回の地震では、せめて避難所での「性被害」は、なんとかして防ぎたいものです。