眠れてる?トイレ行けてる?
応援メッセージです。
今回の災害で被災されたみなさまに心よりお見舞い申し上げます。一日でも早く、トイレが衛生的に使えますように。お風呂に入れますように。温かい食事ができますように。どうぞ今はご自身の心と体の健康をお守りください。
福岡県 養護教諭 繁永 美佐子
3,11の時もトイレは大変でした。宮城県の多くの学校では、震災当日にすでにトイレが詰まってしまったそうですが、石川県でもまだまだ水が出ない地域がたくさんあり、復興には1年かかるかもといった情報もあります。
仮設トイレやトイレトレーラーなども配置されているようですが、たくさんの住民が共同で使用している場合は、落ちついて使用する時間のゆとりも心のゆとりもなくなります。
さらにカップラーメンやおにぎりなどが中心になった避難所の食生活は、野菜不足になり、ますます便が出にくくなります。
また、阪神淡路大震災や熊本地震の時に、被災地に支援に入った精神科のお医者さんの話では、不眠を訴える人がたくさんいて、睡眠導入剤を処方したそうです。
3,11の時も同じでした。体育館などで集団で生活し、床に直接寝ている場合は、他の人の足音、いびきなどで「夜はほとんど眠れない」と訴える子どもたちもたくさんいたのです。
そのため、避難所で不足する睡眠やトイレ、特に排便等が、学校内で補足できるように配慮する工夫も行われたようです。もちろん、震災で足りなくなった授業時数も心配ですが、まずは命と体と心の安定が優先されるべきです。
崩れてしまった生活リズムを、避難生活が続く中で立て直すのは容易なことではありません。3,11の場合、学校が再開されたのは3ヶ月後、とか4ヶ月後といった学校もあり、その間に子どもたちはからだも心も傷ついた状態のままです。
それでも諦めることなく、多くの養護教員たちが、子どもの気持ちを支えながら、それぞれの状況に合わせてできることから生活リズムの立て直しに取り組んでいきました。
3,11で命を失った子どもは東北で532人(数見隆生著「子どもの命と向き合う学校防災」かもがわ出版 より)。被災から7ヶ月後の被災全体の死者、行方不明者は東北3県で19,518人(同)。親や親族、友人を失った子どもたちもたくさんいました。
養護教員は、心の傷と生活リズムの崩壊によるからだの傷、その両方に関わることが求められます。