カウンセリングの需要無し?
応援メッセージです。
寒い中、心も体もお疲れのことと思います。決して頑張りすぎず、まずはご自分をお守りください。みなさんの笑顔は、ご家族・地域・そして何よりも子どもたちを元気にする特効薬なのですから。
一日も早く、安心してゆっくりと休まる日々がおとずれますように。お祈りしています。応援しています。
三重県 養護教諭 中 理巳
輪島市の小学校が再開されました。近隣の小中学校の子どもたちも受け入れるとのこと。さらにこの学校は「授業は行わず、子どもたちの心のケアやリクレーションを中心に行う」そうなのです。
心の回復を優先したのですね。素敵です。
3,11の後の振り返りにもこんな記載がありました。
「震災時の心のケアには、身近な人たちとの温かな人間関係、一人一人に会った対応が重要だと実感した」
「教員が普段と変わらずに子どもたちに声をかけ、保護者と顔を合わせ、関係性を築きながら話を聞いていくことが大切」
残念ながら、教員はカウンセラーではありません。もちろんカウンセリング的対応は、教員、養護教員になるための素養として学んではいますし、自力で学習を重ねた人も多いでしょう。
でも、全ての教員に本格的なカウンセリングを要求するのは、無理な話です。
教員や養護教員にできるのは、普段の生活の中で作り上げた信頼と安心に基づいた心の繋がりを作ることです。災害時に要求されるのは、そういった心の繋がりと、それによる癒やしなのではないでしょうか。
3,11の直後、学校の再開と同時に各地域毎や学校毎にカウンセラーが配置された所がありました。
しかし、当初、子どもたちからカウンセリングを求める声は、多くありませんでした。
カウンセリングの需要が出てきたのは、震災後2ヶ月~数ヶ月後だったそうです。
その頃になると、今まで心の中に閉じ込めてきた様々な感情を子どもたちが表現するようになり、子ども返りやけんか、乱暴な言動、夜眠れない、震災を思い出して泣き出す、といった様子が見られるようになったそうなのです。
カウンセラーの皆さんは、こういった子どもたちの心のケアに、専門的知識を活かして向き合ってくれました。
ただ、やはり普段リレーションのないカウンセラーより、いつも一緒の担任や養護教員との会話が有効だったという側面もあったようです。
大切なのは、様々な立場の人が「子どものケア」という1つの目標に向かって力を合わせる、ということだと思います。
能登半島地震での被災後、とても元気に毎日を過ごしている子どもたちもたくさんいると思います。
でも、あれだけの被害がありながら、全く何も問題を抱えていない子どもがたくさんいる、とは到底考えられません。
今は表だって見えなくても、多くの教員や養護教員が一緒に時間を過ごし、温かな心の交流を持ちながら一人一人にあった対応を重ねていくことが、全ての子どもたちの心の回復につながっていくのではないか・・・。
3,11からの伝言です。