運動不足、肥満、便秘・・・

2024年1月31日

応援メッセージです。

13年前の東日本大震災の際、私は山形市で被災しました。私が住んでいた地域は数日の停電程度で済みましたが、隣県沿岸部の甚大な被害には目と耳を疑いました。そしてあの日から、絶望の中で、様々な人が手を取り合い、復興に向かって進んできたことも、強く印象に残っています。1日も早く、みなさんが笑顔を取り戻せることを祈っています。

山形県 養護教諭 みさき

 

とうとう1ヶ月過ぎてしまいましたね。
でも、来月6日には、1ヶ月遅れで石川県内の全ての学校が再開されるというニュースもありました。
ほとんどの学校が子どもたちの心のケアを最優先し、授業は少しずつ始めます、という姿勢に頭が下がります。
学力も大切ですが、生きていく上で学力より大切なものもたくさんあるはずです。

学校が再開された後の子どもたちの健康について、3,11の時は、こんなことが問題になりました。

能登半島地震でも、まだたくさんの人が避難所で生活しているようですが、3,11の時も長い期間、避難所生活が続きました。さらに福島の子どもたちは、原発事故のせいで、外で運動することを禁止された期間もありました。

今回の震災でも同様ですが、避難所での生活では、食事内容がインスタント食品やおにぎりなどの比率が大きくなります。食べる野菜の量が少なく、栄養バランスが崩れることになります。
また、3,11の時は、たくさんのスナック菓子や甘いお菓子も、支援物資として大量に届き、特に子どもたちはそのスナック菓子や甘いお菓子をよく食べていたようです。

結果、震災後に肥満の子どもたちが増えてしまったのです。運動不足に野菜不足、それにスナック菓子ときたら、結果は予想できますよね。

また、避難所でトイレを共用し、性被害なども起きていたこともあって、排便のリズムがすっかり崩れてしまった子どもたちもたくさんいました。

さらに、歯ブラシがない避難所生活は、歯みがき習慣もすっかり壊してしまいました。
3,11の後、避難所での歯みがきの重要性が指摘されるようになったので、今回の震災では歯ブラシも支援物資として届いたようですが、13年前はそうではありませんでした。

今回の震災では、この3,11の教訓をぜひ活かして頂ければと思います。
発生後1ヶ月。数ヶ月にわたって避難所生活をした人のいる3,11とは条件が違うかもしれませんが、健康上の問題改善は、まさしく養護教員の皆さんの力の発揮どころです。
子どもたちの現状や思いに寄り添いながら、できることはあるはずです。

生活リズムがどうなっているかを把握したり、歯ブラシが十分手元にあるかを聞いたり、身体計測の実施とか口の中を見せてもらって、歯肉炎などの様子を確認したり、おやつや食事環境を調べたり・・・。
限定された環境の中だとは思いますが、可能なところから取り組んでいくだけでも十分だと思います。

場合によっては、不足するものを行政に要求することもできるかもしれません。

それぞれの現状に合わせ、子どもたちや保護者に寄り添いながら、養護教員として子どもたちを支えていける項目は、これからも増えていくことでしょう。