要注意!炊き出しにサプリメント

2024年2月4日

応援メッセージです。

あれから1ヵ月たちました。いまだに行方不明の方がいる、ライフラインの復旧にも時間がかかる、学校が避難所になっていて、でも子どもたちは元気に学校に通っている…断片的な情報からは仲間の苦悩を想像することしかできないもどかしさを痛感しています。
どうか今はご自身の心とからだのことを一番大切にしてほしい!また、夏の日養研で会えたら、いっぱい話ましょう!

北海道 養護教諭 湯上 恵

 

今被災地では、「少しでも暖かいもの、美味しいものを食べて欲しい」と思っている善意の炊き出しが行われています。芸能人のグループが行ったり、地元の飲食業の皆さんが行ったり、遙か遠くの地から出かけている団体もたくさんあります。

いずれも、避難所で大変な生活をしている人をまず第一に考えての行為です。
そんな中で、こんなニュースが出てくるのは、とても腹立たしいのですが・・・。

ネットのニュース報道によれば、被災地で炊き出しをしている豚汁に、「ミネラルサプリ」なるものを勝手に混入して提供している団体がいる、ということなのです。

混入している「ミネラルサプリ」は、どのような成分がどれくらい含まれているのかが明示されていない品物だということです。この段階ですでに「この商品大丈夫?」という疑問が浮かびます。

この団体の方は「栄養たっぷりの料理を提供したい」との思いで行っているようですが、この商品のHPには「妊婦や服薬中の方は医師などに相談」と書いてあるようです。

最も問題なのは、この「ミネラルサプリ」の混入は、炊き出しを食べている人に全く知らされていない、ということです。

自分が「ミネラルサプリ」を摂取するかどうかは、食べる本人に選択する権利があるはずです。こんな緊急時であっても、それは変わりありません。自然の食品を原材料とした豚汁と、それに「ミネラルサプリ」をいれた豚汁とは全く別物です。

提供者は「アンチする人は無知なんだな」と言っているようですが、サプリメントの安全性の問題もありますが、「食べているものの中身を知る権利を侵害されている」「食べるものを選択する権利を奪われている」ことのほうが大きな問題のような気がします。例え緊急時とはいえ、守ることのできる権利は、ちゃんと守られるべきです。

入れるのであれば、そのサプリメントの成分や注意書きを明示した上で、避難所の皆さんに決定権を保障するのが当然です。それこそが、被災者への配慮であり、当然守るべきルールです。

この団体には、たくさんの炊き出しの要望が来ており、本人たちも「これからも活動を継続する」と言っているようです。

避難所から登校している子どもたちがいる養護教員の皆さん、子どもたちの体調に変化がないか、気をつけて見てあげてください。
また、場合によっては情報提供も必要かもしれませんね。