3,11のショック・ドクトリン
応援メッセージです。
徳島県の元養護教諭です。退職後は組合で組織拡大オルガナイザーをしています。この度の地震、お見舞い申し上げます。保健室を必要とする子どもたちのためにこれからも仲間と共に時には愚痴を言いあい、時には喜びを分かち合い一歩一歩歩んでいってください。
この投稿を始めてから1ヶ月が過ぎました。
地震から40日、石川県内全ての小中学校が再開され、子どもたちの笑顔が戻ってきた・・・と思いきや、集団避難を解除された子どもたちの親からクレームがでた、とのこと。それでなくても混乱のさなか、さらなる混乱に巻き込まれる子どもたちや先生方のことを考えると気が重くなります。
とにかくからだと心の健康に気をつけて・・・と言ってはみたものの、そんな状況ではないのでしょうね。
言葉がありません。
さて皆さん、「ショック・ドクトリン」という言葉、聞いたことがありますか?
近年、堤未果さんという国際ジャーナリストが、カナダのジャーナリスト、ナオミ・クラインの提唱した考えを日本に紹介して話題になった言葉です。
堤さんの本を読んで、3,11の時にもこのショック・ドクトリンが実行されていたことに気がつきました。
そもそもショック・ドクトリンとは、「テロや自然災害などの恐怖で国民が思考停止している最中に、為政者や巨大企業がどさくさに紛れて過激な政策を推し進める」(「堤未果のショック・ドクトリン」堤未果著 幻冬舎新書 より)ことを言うのだそうです。
皆さんは、3,11の直後、テレビで頻繁に子宮頸がんワクチンの政府広報が流されていたこと、記憶にありますか?女優の仁科明子さん親子が出演し、ワクチンを推奨する広告でした。
子宮頸がんワクチンは2009年から日本での接種が始まりましたが、当初副作用に苦しむ人がいて、社会問題になっていました。
3,11の時、被災地ではたくさんの命が失われました。命の大切さが、強く日本中の人の心に焼き付けられていたこの時期、「子宮頸がんで亡くなることがないよう、予防接種を受けましょう」という政府広報が、大量にテレビで流されたのです。
まさしくショック・ドクトリンです。
命を失うことへの恐怖心を抱え、冷静に考えられなくなっていた国民に、「少なくても子宮頸がんで死なずにすむように、ワクチン摂取を」という政策を推し進めようとした、ということです。
そして、3,11の被災地の一部では、その混乱に紛れて、学校にフッ素洗口を導入しようという動きも起きたのです。
今回の能登半島地震でも、3,11同様にショック・ドクトリンを利用して、学校に理不尽な何かを要求してくる可能性もあります。
心身共に疲弊しているであろう被災地の先生方、養護教員の皆さんに、これ以上の負担をかけることは避けたい一方で、こういった無謀な動きには、なんとか踏みとどまって阻止して欲しい、と願っています。
そのための協力は惜しみません。一緒に頑張っていきましょう。